税理士の北村英寿です。
今回は金利交渉のお話です。
収益不動産を2棟所有していたお兄さん(60歳・独身男性)が突然亡くなり,既に両親も他界しているので予期せず相続人となった妹のOさんは,何をどうしたらよいのか全くわからず途方に暮れていたところ,不動産管理会社のご紹介で弊事務所へお越しになりました。
まずはお兄さんの確定申告(準確定申告)と相続税の申告が必要です,それと並行して不動産賃貸業をやっていきましょう,不安でしょうけど大丈夫ですよ,できることはお手伝いしますよ,とお伝えしました。
資料が散逸していて多少苦労しましたが,無事に準確定申告と相続税の申告を終えたものの,その過程で驚いたのは高い金利です。
借入は2本あり,残債総額約3億円ですが,金利は2本ともナント年利2.475%!
メガバンクから平成7年に借入れたもので,当時としては適正金利であったのかも知れませんが,今のご時世からするすると,このクラスの融資を受けられる方に対する金利としてはいささか高すぎます。
ということでメガバンクと金利交渉を開始しました。
実は当初から,駅前に支店があり何かと便利な今の金融機関は変えたくないというのがOさんの希望でしたが,もちろんそんなことは融資担当者に伝えず,他行への借り換えを検討しているという趣旨を伝え,融資担当者が途中変更になるという嫌がらせを受けながらも粘り強く対応し,半年かかりましたが
ナント年利1.05%まで下げてもらいました!
当初目標は0%台だったのですが,アメリカ大統領選挙の結果で金利上昇機運が多少高まった影響もあり,着地は1%台になってしまいました。
しかし,それでもこれまでの半分以下の金利です。
返済総額では約2,000万円の減少です。
金利を見直すだけで不動産収支はガラッと変わることがありますので,過去に高い金利で借りている方はもちろんのこと,それほど高くない金利であっても常に低い金利を意識しておくことが重要です。
但し,借入先が変わると抵当権設定費用がかかりますし,場合によってはブレイクファンディングコストもかかりますので,ご注意下さい。