個人が,平成21年に取得した国内にある土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」といいます。)を平成27年以降に譲渡した場合
又は平成22年中に取得した土地等を平成28年以降に譲渡した場合には,
その土地等に係る譲渡所得の金額から1000万円を控除することができます。
譲渡所得の金額が1000万円に満たない場合にはその譲渡所得の金額が控除額になります。
この特例は,平成20年のリーマンショックにより低迷した国内不動産市場を活性化するために設けられたものですが,その適用要件があまりにも特殊であるため適用を失念しがちです。
その適用要件とは以下の通りです。
(1)平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得すること。
(2)平成21年に取得した土地等は平成27年以降に譲渡すること,また,平成22年に取得した土地等は平成28年以降に譲渡すること。
(3)親子や夫婦など特別な間柄にある者から取得した土地等ではないこと。
特別な間柄には,生計を一にする親族,内縁関係にある人,特殊な関係のある法人なども含まれます。
(4)相続,遺贈,贈与,交換,代物弁済及び所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと。
(5)譲渡した土地等について,収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど他の譲渡所得の特例を受けないこと。
「平成21年と平成22年に取得した土地」に限り適用できるというところが特殊であり,この特例を意識して土地を購入した人であれば別ですが,たまたま平成21年あるいは平成22年に土地を購入したという方は,そもそもこの特例の存在を知らないケースもありそうです。
既に前回確定申告からこの特例の適用が開始されていますが,認知度はかなり低いと思いますので,該当する方は忘れずに適用を受けたいところです。