賃貸不動産経営においてどの管理会社と付き合うかは極めて重要です。
管理会社の対応が入居率に影響することも多々あります。
日頃,弊事務所クライアントを通じて複数の管理会社の対応を見ておりますので,税理士の視点から管理会社の良し悪しを判断するポイントをいくつかご紹介します。
PMレポート
一般的に管理会社は毎月オーナーにPMレポートを発行します。
PMレポートには,稼働状況,入居者異動状況,レントロール,賃料滞納状況,敷金残高明細などが詳細に記載されているのですが,良い管理会社は毎月きちんと遅れずにこのレポートを発行します。
何らかの理由でたまに遅れることがあっても,それが毎月であったり,時期がバラバラであったりするような管理会社は注意した方が良いです。
社内での管理体制に問題がある,怠慢な担当者がいるという可能性もあります。
修繕した場合の報告
エアコンや給湯器,共用部電球の交換をした場合や,エントランスや共用廊下の軽微な修繕等を行った場合などは,オーナーへは事後報告で管理会社が先に対応するケースがあります。
このような場合,通常,管理会社は対応前後で写真を撮り,それをPMレポートに添付して適正に報告しますが,管理会社の中には見積書と請求書だけで済ませてしまうところがあります。
このような傾向は家賃の集金代行を行っている管理会社に多く見られますので,きちんと対応前後の写真を撮ってもらうようにしましょう。
退去者への対応
入居者は何がしかの理由でいずれ必ず退去しますが,入居者が退去しますと管理会社は精算業務を行います。
前受家賃や未収家賃,預り敷金及び原状回復費用などを精算し,過不足金を徴収又は返金するわけですが,この精算業務が遅い管理会社は要注意です。
管理会社の中には半年以上も精算業務を行わないところもあります。
追加徴収すべき精算業務を行わないまま放置し,退去者の転居先が不明となり徴収不能となったケースもあります。
精算完了しないままというのは税務的にも問題ですので,管理会社には速やかな精算業務をお願いしたいところです。
上記はいずれもドキュメントの問題ですが,こういったところも疎かにせず適正に対応する管理会社は良い管理会社だと思います。