名古屋で相続専門の会計事務所を主催しております、税理士・公認会計士の木下です!
さて、今回も前回に引き続き「不動産の法人化」の具体的内容を紹介したいと思います。
前回は、基本スキームとして「個人名義の建物を法人へ売却する」ことをお伝えしました。
譲渡税負担を避けるために、建物だけを法人へ売却するというスキームが最も一般的です。
今回は建物売却に関する検討事項です。
↓ そもそも・・・
いくらで売却すればいいのか?
疑問ですよね。。。
↓
①売却時簿価
②固定資産税評価額
③不動産鑑定士による鑑定評価額
など、諸説ありますが、最も多く採用されているのが、
①売却時簿価 かと思われます。
本来は③不動産鑑定士による鑑定評価額が最も説得力のある金額になりますが、
不動産鑑定士の報酬が発生してしまうため、そこがネックになってきます。
また、税務署へいくらで売れば問題ないか? と確認しても絶対に回答してくれません。
毎年路線価が発表される土地とは異なり、建物だけは税務署側もきっとわからないと思います。
相続税の世界でも、建物だけは市区町村が評価した「固定資産税評価額」をそのまま採用していますから。
きっと指標になる数字がないんだと思います。
↓ っということで・・・
ほとんどのケースで、①売却時簿価 を採用していることが想定されます。
↓ では・・・
どのケースでも、①売却時簿価 で問題ないのでしょうか?
↓
極端な話、①売却時簿価 =1円 となっている築古の高収益物件の場合、
本当に1円で法人へ売却してもいいのでしょうか?
かなり疑問が残ることになります・・・
↓
皆さんだったら、かなり稼いでくれる物件を1円で手放しますか?
答えは絶対Noですよね。
↓ また・・・
簿価1円であるが、不動産鑑定士の鑑定評価額が300万円である建物を1円で売却した場合、
みなし譲渡(所得税法第59条)が発動され、300万円で売却したとみなし、
そのほとんどに譲渡所得税が課税されることになります。
税務署の考える時価 って本当はいくらなんでしょう?
疑問が残りますね。。。