名古屋で相続専門の会計事務所を主宰しております税理士・公認会計士の木下勇人と申します。

前3回を生産緑地に関する論点整理をしてきましたが、

今回は最後に生産緑地法が抱える最大の問題である「34年問題」を取り上げたいと思います。

前回お伝えしました生産緑地法のおける指定解除要件は、3つのうちいずれかを満たすことになっていました。

①指定から30年経過

②疾病、障害等により農業従事できない

③相続発生により相続した者が農業従事しない

前回は②③の注意点を詳細に解説しました。

今回は絶対、抑えておいて損がないテーマです。

①指定から30年経過 → いわゆる「34年問題」!

これ、かなり大問題でして・・・

現在、生産緑地指定されているもののうち約8割が平成4年に指定がされています。

平成4年から30年が経過する「平成34年」に解除指定要件を満たすことになります。

そうなると、買取の申出をすることにより売却や建築が可能となり、

不動産市場に一気に土地が供給されることになるというわけです。

住宅業界(賃貸含む)の関係者からすると、かなりのビジネスチャンスになるため

関心度がかなり高い問題となります。

そこで、今回の平成29年生産緑地法改正案にも当該問題に対処するための方針が明記されています。

国土交通省もかなり本気なんだということが垣間見えます。

具体的には以下のとおりです。

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30年経過生産緑地について、

営農継続意向を持つ農家に引き続き税制上の優遇を確保できるよう、

買取り申し出できる期間を一定期間ごとに延期する措置(特定生産緑地制度)を

平成29年の通常国会において、生産緑地法改正に盛り込む。

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要は・・・

生産緑地の買取り申出が可能となる始期の延期(30年経過後は10年ごとに延長可)

→市町村長が30年経過する以前に「特定生産緑地」として指定できることになります。

→生産緑地法改正から概ね1年後の施行が予定されています。

→ただし、主たる従事者が死亡等した場合の取扱いは変更なし(当然ですね)

→関連する税制措置については、平成30年度税制改正以降に対応する予定。

→延期しない場合、何の規制もなくなるため、税制優遇措置を継続することには
 現状、総務省・財務省が難色。

生産緑地に関する今後の動向を知る上では是非ともしっておいていただきたい内容です!

 
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