名古屋で相続専門の会計事務所を主催しております木下勇人でございます。
今回は前回に引き続き、相続した空き家売却時の3,000万円控除の要件検討(家屋要件)をお送りします。
今回の方が、前回よりも理解しやすいかと思いますので、ご一読くださいm(._.)m
■前回・・・要件検討(租税特別措置法第35条3項)
①相続開始直前において被相続人が1人で住んでいたこと
②その家屋(マンション等の区分所有建築物を除く)が昭和56年5月31日以前に建築されたものであること
③相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用(無償による貸付も含む)、または居住の用に供されていないこと
④平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に譲渡すること
⑤売却金額が1億円以下であること
⑥相続の時から3年後の年の12月31日までの間に譲渡すること
⑦家屋を取り壊さず売却するときは、その家屋が新耐震基準に適合するものであること
+α
・建物と敷地の両方を相続した場合には適用あり
・敷地のみを相続した者には適用なし
→ あくまで、自宅建物がメイン + その敷地
■前回・・・⑦(新耐震基準)を詳細に検討しました!
建物を取り壊さずに売却する場合・・・
旧耐震基準の建物を残したくないので・・・
新耐震基準の建物に改修してから売却しなければならない!
■新耐震基準とは?
昭和56年6月1日以後の「建築確認」なら新耐震基準
↓ ポイントは?
「建築確認」の時期で判断する
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Q1.
昭和56年5月に建築された建物であるが、
建築確認を受けたのは、昭和56年2月であった場合、
要件をどう考えればよいか?
A1.
要件②:昭和56年5月31日までに「建築」しているのでOK
→ 要は「旧耐震基準」の建物なのでOK
■築年月日は建物の表題登記で確認
一定規模以上の建築物を新築・増改築・大規模修繕等を実施する場合
建築主が事前に建築主事(又は指定確認検査期間)に確認申請を行う!
↓ 建築確認とは?
その建築物が建築基準法等の関係法令に適合しているかの審査を受けること。
適合している場合には「確認済証」が交付される。
要件⑦:「旧耐震基準」の建物なので、
→ 建物を取り壊して土地を売却すればOK
→ 建物を取り壊さず、そのまま売却する場合には、
新耐震基準を満たすように、改修工事後に売却すればOK
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Q2.
昭和56年7月に建築された建物であるが、
建築確認を受けたのは、昭和56年3月であった場合、
要件をどう考えればよいか?
A2.
要件②:昭和56年5月31日までに「建築」していないのでNG
→ 建築確認を受けたの昭和56年3月なので「旧耐震基準」の家屋となるが
要件②は「旧耐震基準」の建物 かつ 建築完了が昭和56年5月31日 が必要
→ 今回は入口からNGとなります。
→ この場合には
建物を取り壊して土地を売却してもNG
建物を取り壊さず「新耐震基準」を満たすよう改修工事後に売却してもNG
本来、このケースは制度趣旨からしても適用すべきものと考えられますが、
要件②を形式的に決めている以上、適用できないことになりますので、注意が必要!
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