皆さん!

よく経営者が会社の借入金の保証人になっていることは知ってますよね?

   ↓ 仮に・・・

会社の経営が苦しくなって会社が借入金を返済できない場合はどうなるのでしょうか。

会社が本当に支払えない状態に陥った時は、

当然保証人である経営者が会社に変わって弁済することになります!

   ↓ でも・・・

経営者が預金がそれほど保有しておらず、自らの不動産(自宅以外)を売却し

その売却代金で返済に充てる場合でも、無情にも税金は原則かかります。

   ↓ つまり・・・

不動産売却に伴う譲渡税(所得税・住民税)を儲け(譲渡取得)の20%分を

支払うことになります。

   ↓ 

手取りがガツっと下がりますので、売却代金全額を返済に充てた後、

確定申告を忘れて、税務署からTELが・・・

なんてことになる訳です・・・悲惨です・・・

   ↓ ただ・・・

保証人として仕方なく、不動産を売却したのに、そこで税金まで取られて・・・

なんてのは、あまりに辛いですので、所得税法は特例を用意しています。

   ↓ それが・・・

保証債務履行の譲渡特例です(所法64条)

   ↓ つまり・・・

保証債務を履行するために土地建物などを売った場合には、

所得がなかったものとする特例なんです!

要はゼロになるんです!

   ↓ 要件は・・・以下全てを満たす必要あり

  • ①本来の債務者が既に債務を弁償できない状態であるときに、
     債務の保証をしたものでないこと

保証債務を履行するために土地建物などを売っていること

③履行をした債務の全額又は一部の金額が、
 本来の債務者から回収できなくなったこと

ケーススタディ

上記例で、経営者が借入金を支払うに際して、

手持預金で先に支払った後、不動産(自宅以外)を売却しました。

   ↓

アウト です・・・

   ↓ ???

何がいけなかったのか? 検証します。

上記3要件のうち、②赤字部分 がアウトなのです!

   ↓ つまり・・・

預金で返済をした段階で保証債務は既に履行されており、消滅してしまっています。

その後の不動産譲渡は「保証債務の履行」とは言えなくなってしまいました。

   ↓ じゃあ・・・

手許の預金がなく、経営者が銀行から借入金をして、その預金で支払った後、

個人不動産を売却し、その代金で銀行借入を返済した場合は?

   ↓ 

この場合には救済措置があります!(所基通64-5)

(借入金で保証債務を履行した後に資産の譲渡があった場合)

64-5 保証債務の履行を借入金で行い、その借入金(その借入金に係る利子を除く。)を返済するために資産の譲渡があった場合においても、当該資産の譲渡が実質的に保証債務を履行するためのものであると認められるときは、法第64条第2項に規定する「保証債務を履行するため資産の譲渡があった場合」に該当するものとする。
 被相続人が借入金で保証債務を履行した後にその借入金を承継した相続人がその借入金(その借入金の利子を除く。)を返済するために資産を譲渡した場合も、同様とする。(昭56直資3-2、直所3-3改正)

(注) 借入金を返済するための資産の譲渡が保証債務を履行した日からおおむね1年以内に行われているときは、実質的に保証債務を履行するために資産の譲渡があったものとして差し支えない。

   ↓ この場合は・・・

借入金見合いの預金で保証債務を履行し、

新規の借入金を返済するために、

不動産を売却することになったため、

新規の借入金が保証債務に代わるものであるため、

救済的に特例適用が認められています。

   ↓ つまり・・・

新規の借入金を返済するために、仕方なく不動産を売却した状況が

特例が意図する状況と類似するためです。

皆さん!

保証人にならないことが一番得策ですが、

仕方なく保証人になってしまい、仕方なく自らの不動産を売却する場合には

順番を本当に気を付けてくださいね!

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ