不動産は買い時なのかに対する意識調査
前回と同じく「平成28年度における住宅市場動向について」を紹介したいとおもいます。今回はもう少し話を広げて同調査の「平成28年度は買い時か?」という設問に関して、消費者やファイナンシャルプランナーはどう回答しているかをみていきましょう。
売主としての「売り時」もわかる?!
この調査が行われたのは、平成28年2月ですが、「平成28年4月~平成29年3月は住宅の買い時だと思いますか?」との設問に対して、61.9パーセントの回答者が「買い時」としています。理由としては「今後の消費税率引き上げ」(回答者内74.7パーセント)「今度の住宅ローン金利引き上げ」(同12.0パーセント)「今後の住宅価額の上昇」(同6.0パーセント)とやや消極的なもの、「住宅ローン金利の低さ」(同66.2パーセント)、「住まい給付金、住宅ローン減税等があることや拡充が検討されている」(同15.6パーセント)、「景気の回復」(同12.0パーセント)と制度や環境への期待からくるものに分かれているようです。更に、圧倒的に「今後の消費税率引き上げ」と「住宅ローン金利の低さ」を理由としている人の割合が多いこともみてとれます。同質問の回答状況を年齢階層ごとにみていきましょう。25~29歳の回答者の83.6パーセントが「消費税率の引き上げ」から買い時と考えているのに対し、50~54歳では64.5パーセント、55~59歳では62.5パーセントと、要因によっては世代間に意識差があることも。この結果を限定していえば、「消費税率引き上げ前の売却活動は、25~29歳の購入者層に響くようなアプローチをすればより有効」ともいえますね。同じ質問に対してファイナンシャルプランナーの68.6パーセントが「平成27年度と比べて買い時」としていますが、全員が「住宅ローン金利の低水準」を理由にあげ、次いで「消費税率引き上げ前の駆け込み効果」(回答者内51.4パーセント)が多いという結果に。一般消費者とファイナンシャルプランナーの間の認識には、大きな乖離はないということがわかりました。上記は買主を対象とした調査といえますが、裏を返せば売主にとっても「売り時か否か」をジャッジできる材料ともなるでしょう。消費者の半数以上が「買い時」と考えている現在。売却を検討しているみなさんはこの結果を見てどのように感じましたか?