2.売買契約の締結以降、手付解除期日まで

今回は契約の解除について、2.売買契約の締結以降、手付解除期日まで3.手付解除期日以降の2つの時期ごとに説明していきます。結論から言うと「原則、売主は買主から受け取った手付金の2倍を返還すればキャンセルできる」となります。いわゆる「手付倍返し」と呼ばれているものです。買主から支払われる手付金は物件売買価格の10%程度のことが多いので、結構な金額ですね。ちなみに、買主側からこの時期にキャンセルをする場合、手付金を放棄することが必要です。この時期にキャンセルすると、結果として買主(手付金の放棄)と売主(倍返しするので、受け取った手付金の返還+同額の支払い)となり、両者の金銭的負担は同額ということになりますね。ただ、契約締結後ということもあり、手続きなどがやや複雑であると感じられるかもしれません。極力キャンセルは避けるべきですが、やむを得ない事情がある場合はなるべく早めに媒介業者に連絡するようにしましょう。尚、相手方(自分が売主側だったら買主)がすでに「契約の履行に着手している」場合は手付の放棄もしくは倍返しによる契約キャンセルはできません。しかし、「契約の履行に着手している」状態とは漠然とした概念で、ジャッジに迷ったり、揉めたりすることも多々あるでしょう。そのため、事前に手付の放棄や倍返しができる期間を定めておくことが多いです。これが「手付解除期日」です。


3.手付解除期日以降は手続きも大変

さらに手続きなどが複雑化するのが、手付解除期日以降です。相手方は売買代金の支払いや引っ越しなどに向け、着々と準備が進んでいることでしょう。そのため、この時期にキャンセルすると被害は大きくなるため、損害賠償として「違約金」の支払いが必要になります。尚、違約金の金額は売買契約締結時に決めるようになっています。売買の話が進んだ後のキャンセルはどんな理由であれ、手間も時間も掛かってしまうものです。極力、キャンセルをしないようにしたいですね。

 
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