前回、基本的には区分所有は資産形成に向かないとお伝えしました。
しかし、一度の取引でまとまった戸数を取得できるのであれば、話は違ってきます。
分譲マンション内の部屋を複数まとめて購入するということです。
こく稀にですが、バブル時代の売れ残りをデベロッパーがまとめて所有していて、相続や資産整理の事情で
まとめて手放すケースがあります。
賃貸に出した場合の利回りが合えば、非常に投資効率がよく、そして選択肢が広いものになるのです。
なぜなら、区分所有のデメリットである「規模」が一度の取引で確保できるからです。
また、一定割合の戸数を取得することでマンションの経営権を確保することもできます。
割合にもよりますが、半分以上を確保できるようであれば、大規模修繕の時期等も自分で決められるでしょう。
ある意味、一棟ものを所有しているのと似ているのです。
分譲仕様の物件は、賃貸仕様の物件とは建物の造りが根本的に違うので、同じ家賃水準であれば市場において
優位になります。
将来的に売却を考えた場合も、一部屋単位で居住用の物件として売却できるため有利です。
いわゆる、「バラ売り」ができるのです。
このバラ売りを将来するのであれば、購入時に区分登記をしたほうが良いです。
(さらに、区分登記をする際は土地家屋調査士に依頼するのがベストです)
このバラ売り、残債がある場合は金融機関の融資条件にもよりますが、これは一棟ものの中古アパートにはない選択肢ですね。
貸してよし、売ってよしの物件で、その時々の経済状況に合わせた細かい対応ができます。
なお、区分所有の物件を購入する場合、選ぶポイントとして最重要なのは、管理会社の状況です。
建物全体の管理の良し悪しが物件の価値を大きく左右します。
大規模修繕の実施状況、管理組合に修繕積立金が必要な金額ストックされているかどうかも
必ず確認した方がよいです。
これらを記載した「重要事項に関わる調査報告書」は管理会社から取得できますので目を通してみてください。