会社と個人のお金をしっかり残す『財務元氣化コンサルタント』ジェニユイン・パートナーズ株式会社の川端敏弘です。
最近、民事信託(家族信託)制度に関心を持つ人が増えてきました。
テレビCMでも、かつてのトレンディー俳優の方々が「信託」を語ったりしていますもんね。
相続課税強化、地価上昇の影響もあって「相続ビジネス」はまさに花盛りです。
相続が発生すれば、当然、そこでお金、資産が動くことになり、お金が動けばさまざまなビジネスのネタになります。
金融業界、不動産業界、士業の人たちがここぞとばかりにこの相続ビジネスに参入するのは当然といえば当然かも知れません。
従来の相続では対応できない(対応したくない)ケースへの提案として、民事信託に脚光が浴びつつあり、相続ビジネスに関係する人たちの口から民事信託というフレーズを聞く機会が急に増えてきたように感じます。
民事信託が一般に普及することは好ましいことだと思いますが、それと比例するかのように、おかしな信託契約も出始めているようです。
以前から民事信託の正しい普及・啓蒙に尽力している関係者によれば、セカンドオピニオンとして持ち込まれてくる信託契約書の大半が内容に疑問のあるものばかりで、なかにはやらない方がましなものさえあるとのことです。
資産を残す人の想いを次世代につなぐという民事信託の性質上、5年先、10年先、それ以上先の将来に、その役割が生きてくるようなことが多いはずですので、疑問のある信託契約を組成してもすぐに問題が発生することはまずないでしょう。
数年後のいざという時に、どこまでその関係者が対応するかを確認することが肝要なのです。
まずはしかるべきキャリアを持ち、責任の所在のはっきりした組織、団体に所属しているかどうか、これを見極める必要があります。
民事信託が社会から正しく評価されるためにも、これから急増するであろう、怪しげな人たちの手による「なんちゃって信託」にはくれぐれも注意していただきたいです。