<第2回>
皆様こんにちは。不動産仲介会社経営&司法書士の加藤雄一です。最近不動産会社の方で賃貸管理業務も始めました。
前回ご好評いただいた初回の2回目です。ご好評かどうかはあくまで自己評価です。
家尾さんは、果たして騙されてしまったのか?不動産は無事売れるのか?
と、書き始めましたが、前回の終わりは、地番についてでしたね。
地番とは、土地の番号のことです。
皆さんの住んでいるところは、「住所」であり、その住所は「住居表示」と言われています。
住所については、その地方自治体が決めますので、新しく土地に家を建てた場合、その住所は、役所に決めてもらうのです。
住所の付定なんて言い方をします。
住居表示については、東京都北区のホームページが分かり易かったですね。
http://www.city.kita.tokyo.jp/koseki/kurashi/koseki/jukyohyoji/sedo.html地番については、法務局(つまり管轄する登記所)が地番を管理しています。
※法務局と登記所という名前が今後も出てきますが、ほとんど同じものです。
法務局が、ちょっと正式名称っぽいもので、登記所がいわゆる略称みたいなものと思っていただければ大丈夫です。
明治時代からある登記制度の中でつけられてきた土地の番号でもあるので、「俺の土地は777番を付けてくれよ!」って言っても、登記所では「は?」と言われてしまいます。
番号を付けるのは登記所の方が付けるものです。
なので、乱暴に言ってしまうと、「住んでるところの住所は役所に聞き、地番については登記所に聞け」ということになります。
さて、前回登場の家尾さんですが、不動産屋さんから地番がわからないと売れないって言われたので、自分で地番を調べることにしました。
本来、不動産屋さんなら「わかりました!じゃあ私が住所を調べて登記簿謄本を取得しておきますから!!」
なんて対応をしていただけるはずなのですが、例の不動産屋さんは、
不動産店員「謄本取得するのも費用がかかってしまいますので、お客さんが自分で取ってきてもらえますか?」
家尾「そうなんですか。わかりました。どこにいけばいいですか?」
不動産店員「謄本と言えば、法務局です。わからなければ登記の専門家の司法書士に聞いてください。」
家尾「わかりました。いろいろ丁寧にありがとうございます。(不動産屋さんというのはこういうものかな?)」
家尾さんは、さすがに司法書士の知り合いもいないので、インターネットで法務局を調べ、職場の近くの法務局(東京都新宿区)に行きました。
ちなみに、家尾さんの自宅は東京都中野区です。
もうこの段階で、嫌な予感がしますよね。
さて、仕事の合間に法務局に出向いた家尾さんですが、無事謄本は取得できたのでしょうか?
窓口に行くと「証明書関係」の窓口がありますので、そちらの職員に声をかけました。
家尾「すみません、自宅の謄本を取りたいのですが、どうすればいいですか?」
法務局窓口「地番はわかりますか?」
家尾「わかりません。それがわからないからここに来たのです。」
法務局窓口「そうしましたら、ブルーマップという地図に地番を書き込んであるものから地番を確認することになります。又は、地番検索サービスというのがあって、そこの機械を利用して検索することができますよ」
家尾「わかりました。そのブルーマップというもので調べてみます。」
家尾さんはブルーマップから地番を確認しようとしましたが、、、、
家尾「すみません、ここにあるのは、新宿区のものばかりですが、中野区のブルーマップというものは無いのですか?」
法務局窓口「そうですね。ここは新宿区を管轄する法務局ですから、中野区のブルーマップは置いてありません」
家尾「え?私の自宅は中野区なのですが、じゃあどうすれば良いのですか?」
法務局窓口「地番がわかればオンラインで繋がっているので、こちらで取得も可能なのですが、中野区の物件の地番は、ここ新宿ではわからないのです。」
つまり、不動産所在地の管轄の法務局に行かないと、地番がわからず、登記簿謄本が取得できないのです。
そこで、家尾さんは、仕事が休みの日に自宅の管轄の中野の法務局に出向いて謄本を取得することにしました。。。。。
ってしてしまうと、「法務局は休日閉庁で、取得できませんでした。」などということになり、話が一向に前に進みませんので、ここで、解説を入れておいて、話を前に進めるようにします。
<解説>
一昔前では、確かに家尾さんの様に、謄本を取得するまでに右往左往してしまうことも良くありました。
現在では、法務局に電話でご自身の住所をお伝えすれば電話口で回答してもらえたりしますが、人力で調べるため、おおよその地番となり、間違ったりすることもあります。
また、地番検索サービスというものがインターネット上にありますが、別途登録が必要だったりしますので、1回きりのご利用の方たちにはメリットがほとんどありません。
そのため、住所と地番は異なることがあるという前提で、不動産会社にサービスで取得してもらうようお願いをするか、
登記関係に詳しい司法書士に取得代行を依頼する(費用かかりますが、ご自身の手間や時間を考えると逆にお得ということも・・・)というのが、
賢い不動産売却となると思います。
さて、話をもとに戻して、家尾さんは何とか不動産登記簿謄本というものを入手しました。、
登記簿謄本は、A4縦の用紙にいろいろ書いてありましたが、よく見方がわからないので、そのまま不動産屋さんに持って行くことにしました。
(早速、嫌な予感がしますよね)
ここで、今回のテーマに当てはめると、「不動産売却に待った!!意外と多い?実は法務局に行ったことが無いのです」となります。
ということで、今回はここまでで、次回は不動産登記簿に書かれていたことから、家尾さんの不動産に問題が!!!
その問題点を説明いたします。
家尾さんが別の不動産屋さんに間違えて行ってしまう!!!なんてことでは無いことは確かです。