こんにちは、行政書士・ファイナンシャルプランナーの片野真理子です。
今日もよろしくお願いします。
住宅ローン破産を防ぐために、人生でかかるお金の総量を把握しよう、という趣旨で考えているこのシリーズ?ですが、やっと住宅資金の話まで漕ぎつきました。
さくさく進めます!
人生における大きなお金、それは
① 住宅資金
② 教育資金
③ 老後資金
でしたね。
ここまで、②と③については数字を示してきましたので、あてはめてみます。
①
② 2000万円(子ども2人)
③ 4000万円
ということになりました。
最初に、「審査が通るローンは、返済が保証されたローンではない」と申し上げました。
年収と、それに対する返済負担率だけを考慮して、審査基準目一杯借りてしまうと、他にほころびが出ます。
すごく単純ですが、生涯年収から、②と③を引いてみましょう。
家を買う年齢が30歳だとして、そこから60歳まで正社員、その後65歳までは再雇用という前提で、30歳から定年までの年収をざっとならし、30歳からの生涯平均年収を手取りで400万円(額面約510万円)として考えてみます。
400万円×35年=1億4000万
ここから、②と③を引くと、8000万円ということになります。
住居費を除いた毎月の生活費を10万円で頑張るとして、35年分の生活費は約4200万円。
住居というものに人生の重きを置く場合は別ですが、住宅ローンが払い切れるかの心配をあまりしたくないという場合は、借入額は2500~3000万円くらいまでにしたほうが良さそうです。
3000万円、金利1.5%、固定、35年の元利均等方式での返済の場合、月額は約9万2000円ですので、②、③用のお金と合わせると、月額約24万円は生活費とは別に確保したい、ということになります。
先ほど、生活費は10万円で頑張ると仮定したので、月の家計は34万円くらい(全体平均)になるでしょう。
今回は「貯金」のみで考えていますが、「保険」や「投資」などの方法で準備することもできます。
ちなみに、「退職金を考慮してないじゃないか」というご指摘もあろうかと思いますが、住宅ローンを考えるときに、退職金をあてにしてしまうのは大変危険です。
それこそ老後破産の可能性が生じてしまいます。
住宅ローンが終わっても、修繕やリフォームなどの費用が必要になる場合もあります。
これは、「生涯平均年収手取りで400万円」という方を想定した、マクロな視点での住宅ローンの検討です。
人生のお金の総額から考えていますので、「家を買いたい!」となったときの個別具体的な事情を考慮しているものではないことを申し添えます。