不動産投資のキャッシュフローを最大化するためにはどのようなポイントに気をつけなければならないのでしょう?
まず家賃収入から支払うもので大きなものは借入金の返済ですね。
中小企業の経営者は借入金をできる限り早期に返済することが、事業経営を行っていく上で重要な事項の一つになりますが、キャッシュフローを最大化するための不動産投資は、できる限り長期の返済期間を組む方が、キャッシュフローは最大化されます。
そのためには銀行の不動産投資に対する融資基準を把握する必要があります。
銀行によっても違いますが、不動産に対する融資期間は、多くの銀行で建物の税法上の耐用年数-築年数によって計算されます。
例えば築20年の木造物件を購入する場合は、木造の耐用年数22年から、築年数20年を引いた2年の融資期間が組めることになります。
これが鉄筋コンクリート(RC)であれば、耐用年数が47年あるため、築20年であれば、27年の融資期間が組めるんですね。
銀行の一般的な融資期間の算定基準
【木造】 耐用年数22年 - 築20年 = 融資期間2年
【鉄骨】 耐用年数34年 - 築20年 = 融資期間14年
【RC】 耐用年数47年 - 築20年 = 融資期間27年
木造とRCの物件でキャッシュフローを最大化することができるのは、RCの物件だということがわかりますね。
そして、意外と見落とされているのが、税金です。
通常、不動産業者や建築業者から出されるキャッシュフロー表は税引き前の数値が掲載されています。
でも、本当に重要なのは税引き後のキャッシュフローですよね。
それは実際に手に残っているお金は税金を引いた後のものだからです。
税金は不動産投資の利益に対して、人によっては55%にもなることがあるので、非常に重要なポイントです。
ただ、不動産投資の税金戦略は、一概にこれというものはありません。
なぜかというと個人個人によって、所得の内容も異なるからです。
これはもちろん個人と法人で戦略が異なることも意味します。
最近サラリーマンで不動産投資をする人が多くなっていますが、サラリーマンや法人の役員が個人で不動産投資をする場合、会社から支払われる給与の額によって、不動産投資に対する税金も変わってくるんですね。
それは不動産を購入した後の個人の所得税の計算は、給与所得と不動産所得を合算し、社会保険料や扶養控除等の所得控除を差し引いた後の課税所得に対して計算されるからです。
そして最後の課税所得に対して掛けられる税率は所得の額によって異なり、所得が高くなるほど、高い税率が掛けられます。
これは個人事業を営んでいる人も同じですね。
個人事業者の場合は、給与所得が事業所得に変わります。
だから、個人で不動産投資をする場合、税引き後のキャッシュフローを最大化するためには、他の所得が低い方が有利なんです。
不動産以外の所得が高い人は、それだけ不動産所得に対する税率も高くなるので、結果キャッシュフローは税金によって少なくなってしまいます。
一方、法人の所得に対する税率は一般的に約30%と一律なので、個人ほど累進税率の影響は受けません。