バブルの頃に流行った不動産投資は、“売却益狙い”“不動産所得のマイナスを利用した節税目的”という投資法が主流でした。
それはバブル時代は“不動産は買えば価格が上がる”時代だったからですね。
でも、今の不動産投資はバブルの時代とはまったく手法が異なります。
それは“不動産は買えば上がる”時代ではないし、実質的には建物の価値が減少する分、価値は下がるものだからです。
そしてもう一つ理解してもらいたいことは、利益を得るための不動産投資と、節税とは相反するものである、ということです。
税金の仕組みは利益が発生したところに掛けられます。だから利益が得られる不動産投資は、必ず税金が発生するものなんですね。
最近は都心の新築区分所有マンションを“節税になります”という謳い文句で販売している業者がありますが、この節税の仕組みは不動産所得のマイナスと、給与所得などの他の所得との損益通算によって税金が少なくなるというものです。
でも、不動産所得がマイナスということは、その不動産投資で利益が出ていないということです。
利益どころか損失が発生していて、この損失は給与所得などの他の所得から補填されます。
このような業者はそれでも「返済が終わった後は、安定的な収益が生まれ、将来の年金代りになります。」と言います。
でも、返済が終わった30年後、購入した不動産がどのようになっているのかは、誰にもわかりませんよね。
当然、古い物件は近隣の物件との競合にさらされ、空室が目立ち、賃料は下がるのが一般的である。さらに古くなるに従って修繕費も多くかかるものです。
また融資を受けて購入する不動産投資は、レバレッジというメリットがデメリットに働くこともあります。
融資を受けるということは、借りたお金を返さなければならないということです。
もし思うように入居者が入らなかったり、予想以上に家賃が下落したり、はたまた予想外の大きな出費が発生した場合などは、その借入を返済できない可能性も高くなります。
このように融資を受けて購入する不動産投資には、多くのリスクがあります。
ただ、そのリスクも不動産投資家の努力と研究によって減らすことは可能なんですね。