物件を検討している際に、同じ年間1千万円の家賃収入がある物件で、次の2つのマンションのうち1つを選ばなければいけないとしたら、どちらが節税効果が高いでしょう。
1、1ルーム×16室
2、2LDK×8室
これを選択する基準として、所得税法では不動産賃貸業が“事業的規模”かどうかで税金の扱いがかなり変わってきます。
そしてこの事業的規模の判定は、次の基準で決まります。
1、独立家屋の貸付が5棟以上
2、アパート、マンションなどの区分された部屋が10室以上
これは5棟10室基準というもので、この基準を満たしていれば所得税法上、事業的規模となります。
では“事業的規模”とみなされれると、税金上どんなメリットがあるのでしょう?
代表的なものは次の2つです。
1、青色申告&複式簿記で帳簿をつければ、青色申告特別控除が65万円受けられる。(事業的規模でない場合は10万円)
2、家族への専従者給与が必要経費になる(その代わり配偶者控除などの所得控除は受けられません)
先にあげた2物件なら、1の1ルーム×16室の方が節税効果が高いわけですね。
また、物件を購入する時に、 夫婦共有で購入する場合がありますよね。
相続で受け継いだ物件の場合は、 親子や兄弟で共有という場合もあるでしょう。
このようなケースでは、物件が5棟10室の事業的規模を満たすと、 青色申告特別控除が 共有者全員分、受けられるんです!
さらに、不動産所得も共有している分だけ少なくなるので一人で持つよりも低い税率で済むケースもあります。
一方、デメリットは、 確定申告書をそれぞれ作らないといけないので、 手間や費用が掛かってしまいます。
そして、夫婦や親兄弟など、共有者でもめた時は、売却が難しくなってしまいます。
相続で受け継いだ場合は、どうしようもないかもしれませんが、 これから購入する物件の場合は、
共有のメリットとデメリットを把握して、将来的にもめごとが起こらないようにしておきたいものです。