こんにちは。弁護士の角地山です。
私が所属している法律事務所では、「賃借人に出ていって欲しい。」「大家さんから立ち退きを求められた。」など、賃貸借契約の終了に関する法律相談が数多く寄せられます。
そこで、今回のコラムでは、賃貸借契約の終了について書きたいと思います。
賃貸借契約が終了するのは、大きく分けると4つの場合になります。
1 賃貸期間の期間満了
2 解約申入
3 債務不履行による解除
4 合意による解除
まず、第1の賃貸期間の期間満了とは、賃貸借契約で定められた期間の満了とともに契約を終了させることです。
こちらは過去のコラムで詳しく述べていますが、賃貸人が契約を期間満了で終了させるには、①更新拒絶通知と、②正当事由が必要になります。
(/column/kakuchiyamamuneyuki/19254/)
次に、第2の解約申入とは、賃貸借契約の期間中に賃貸人・賃借人の一方から中途解約を申し入れて、契約を終了させることです。
まず、賃貸借契約書の中に、中途解約条項(賃貸期間の途中でも、賃貸人・賃借人どちらかの一方的な申入れにより、契約を解除できるとする条項)がない場合、賃貸人・賃借人どちらからも一方的な申入れによる契約解除は出来ません。
これに対し、中途解約条項がある場合、賃借人からの中途解約は認められますが、賃貸人からの中途解約は基本的に認められません。中途解約条項があっても、賃貸人からの一方的な申入れによる契約の解除は基本的に認められないというのは、多くの人が勘違いしていそうなところなので、ちょっと注意が必要です。
第3の債務不履行による解除というのは、賃貸借契約の内容に違反した場合に契約を解除することです。
賃貸借契約というのは、ある程度長い期間物件を賃借人に貸すことを前提としており、また、その期間契約は続いていくことになるので賃貸人と賃借人との間には相互に信頼関係が必要となります。
とすれば、その信頼関係を裏切るような契約違反行為があったときには契約を解除することができます。
第4の合意による解除というのは、賃貸人と賃借人の合意によって契約を終了させることです。
賃貸借契約が終了する場合、上記4つのいずれかに該当することになります。
合意による解除の場合を除き、その他の3つの場合では、賃貸人と賃借人が揉めることが多いです。そのような場合、早期に弁護士に相談することをお勧め致します。