一旦、抱く

不動産会社が物件を買い取り、短期間のうちに再販売する事。


【読み-いったんだく】

【用例-ウチで一旦抱いてから、エンドに売りますわ!】

こんにちは。

不動産業界専門の集客・営業教育コンサルタントの梶本幸治です。

今日も、大阪市西区北堀江のオフィスからお届けします。

本日の不動産【裏】用語集は「一旦、抱く」を取り上げます。

不動産業界では物件を不動産会社が買い取る事を「抱く」と言いますが、「一旦、抱く」という場合は、再販売は視野に入っているものの、物件を商品化する為に便宜上買い取り、短期間でエンドユーザーに販売する意味が強くなります。

用例として挙げた

「ウチで一旦抱いてから、エンドに売りますわ!」

を綺麗(?)な日本語で言い直しますと

「込み入った権利関係を整理し建物や敷地の調査も完全に執り行う為、一旦弊社にて買い取り、商品化した上でエンドユーザーのお客様に販売させて頂きます」

ってな感じになります。

「一旦、抱く」という言葉はアウトローな響きを持っていますが、言ってる内容はいたってまともなんです。まぁ、ちょっと悪っぽい言葉と使った方が「不動産業界人」ぽいって感じがして格好良い(と思っている)人が多いんでしょうね。

ちなみに分譲会社が土地を購入し、その上に新築を建てて販売する際は「土地を仕入れる」といい「土地を抱く」とはあまり言いません。

「抱く」という表現を使う場合は、どちらかというとビルやアパート、分譲マンションや一戸建てをいった既存建物を買い取る時に使用する気が致します(あくまで、梶本個人の感想です)。

ちなみに不動産仲介会社の営業マンがノルマ達成の為、付き合いのある不動産買取再販会社の社長に、自らの担当物件を買って貰いたい時は次のように頼みます。

「社長~。今月ちょっとだけ数字が足りないんですわ~。あの物件一旦、社長のところで抱いて貰えませんかね~?三ヶ月以内にしっかり再販しますから!」

仲介営業マンからすれば、買取再販会社に買って貰う事により取りあえず「両手手数料(売主からも買主からも手数料が頂ける事)」になりますので、ちょっと足りない業績をカバーする事が出来ます。

しかし、買取再販会社も慈善事業ではありませんので、利益をのせて、短期に売却しなければなりませんので「三ヶ月以内にしっかり再販しますから!」って約束が必要になるのです。

この場合は「物件を商品化する為に便宜上買い取る」って定義には当てはまらず「営業マンの身勝手」だけですので、売主様からすればたまったもんじゃないですね。

あなたが不動産を売却する際、月末ギリギリの段階で担当営業マンが「プロによる買取」を提案してきた時は、「ノルマ達成」の為に提案して来ている可能性がありますから気をつけて下さい。

 
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