「不動案価格査定って信用出来るのかな?」と心配しておられるあなた、こんにちは。
不動産業界専門の集客・営業教育コンサルタントの梶本幸治です。
今日も、大阪市西区北堀江のオフィスからお届けします。
不動産を売る時、不動産会社から提示される書面が「不動産価格査定書」です。
先ずはそもそも、不動産価格査定書とは何かを説明しますね。
不動産会社が守るべき宅地建物取引業法の第34条の2第2項には次のように書いてあります。
【宅地建物取引業法 第34条の2第2項】
宅地建物取引業者は、前項第2号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
この「前項第2号の価額又は評価額」とは何かと言いますと依頼者がその取引物件について売買または交換を依頼する際のいわゆる「依頼価額」をいうと解されているます(建設省監修・業法解説169頁(改訂版・詳解・宅地建物取引業法283?284頁))
…って難し過ぎて何の事か分かりませんよね。じゃ、ここから噛み砕いて説明して参ります。
= 査定書に書いてある価格は何? =
査定書の査定価格とは「概ね三ヶ月以内に売れる(と思う)価格」である事が殆どです。
では、この査定価格は厳密な調査の上で算出されるかと申しますとそうでは無く、不動産会社の担当者が物件を見て「これくらいの金額かな?」と思った価格に近付けるよう、鉛筆舐め舐めしながら数字をイジクル事の方が多いように思います。
「えっ!そんないい加減なやりかたで査定価格って決めてるの!」と怒ってしまわれたかも知れませんが、この「不動産会社の担当者が物件を見て感じた価格」ってのも結構バカに出来ないんです。
何しろそのエリア内の物件を何十、何百件と見てきた人間のインスピレーションで浮かんだ価格ですから、割と当たっている事が多いのです。
では、査定書何ていらないんじゃない?って疑問が湧いてきますよね。
= 査定書を出さない不動産会社は信用しちゃ駄目! =
不動産のベテラン営業マンの中には「査定書をチマチマ作るような営業マンは業績が伸びない」等とのたまう輩もいますが…これは売主様を馬鹿にした話であり、営業マン失格です。
先程は「インスピレーションで浮かんだ価格も割と当たる」と申しましたが、それでもやはり最新の成約事例や公示価格・基準地価・路線価などから、価格を算出する作業は大切です。
ここで恣意的に価格を操作するにでは無く、根拠に基づいた価格とインスピレーションで浮かんだ価格を比較して、適切な提案を行う不動産会社こそ信用するに足る会社と言えるでしょう。
又、査定書という「書面」で提案して貰えば、後々言った言わないの論争にもなりませんので、不動産会社からはキチンと査定書を出して貰って下さい。
= 査定価格の高い会社と低い会社、どちらに任せますか? =
あなたが複数の不動産会社に査定を依頼したとします。査定価格の高い会社と低い会社、どの不動産会社に売却をに任せますか?
勿論「査定価格が高い会社」ですよね。
しかし、不動産会社側も「査定価格が高い会社」が選ばれる事を当然理解しています。
そこでどのような事が起こるかと申しますと、売れなくても良いから高い査定価格を出して販売を任せて頂き、後で「市場が冷え込んだ」とか何とか言って価格を下げて貰おうと考える不動産会社が出てきます。
不動産会社は成功報酬ですから売れなければ一銭も頂けませんが、逆に考えると不動産会社側のリスクは「お金が貰えない」だけで、高い価格の物件は見切りをつける事も可能なんです。
しかし、売主様側はたまったもんじゃないですよね。
= 査定価格だけじゃなく、売り方の提案に注目しましょう =
私は不動産会社さんの営業コンサルも行っていますが、私のクライアントである不動産会社さんには「他社に負けても査定価格を恣意的に上げては駄目」と伝えています。
査定価格を恣意的に上げて損失を蒙るのは素人である売主さんですもんね。こんな事はプロとして許されるものではございません。
そこで私のクライアントには次のように提案するように勧めています。
1.査定価格を提案する。
2.売り出し価格も提案する(値切り代も考慮して、妥当な販売開始価格を提示)
3.売出し上限価格を提案する(簡単に売れるとは思わないが、チャレンジ価格として高値成約を目指してみる上限価格)
このような価格を提示した上で、具体的な販売手法についても詳細に査定書に明記するようにしています。
あなたが不動産を売却される際は、「無責任な高い査定価格」に惑わされる事無く、どのような販売手法で、いつまでに、いくらで成約する予定なのかを不動産会社さんに聞いて下さい。
残念ながらいいかげんな不動産会社も多いですが、売主様に真摯に向き合おうとしている不動産会社を見つけ、その不動産会社と二人三脚で不動産売却を勧めて下さい。
= まとめ =
「無責任な高い査定価格」に惑わされる事無く、具体的な販売手法等も聞いた上で査定書を吟味して下さい。
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