「すぐに売る気がない」と言われたら、こう返せば大丈夫です

売買仲介営業をやっていると、様々な問題にぶつかります。営業、キャリア、社内の人間関係…
誰にも聞けない悩みは売買仲介営業専門のコンサルタント・梶本幸治さんに聞いてみましょう。
今週は、「売る気がない」対策です!(リビンマガジンBiz編集部)(毎週水曜日更新)

動画は下から↓

問い
査定サイトを通じて、お客様から反響をいただくことがありますが、「すぐには売る気はない」 「価格を知りたかっただけ」という方が、多すぎます。
上司や先輩は「売る気がない」と仰るお客様にもしっかり対応すべきと言いますが、売る気がない方はお客様ですらないように思います。どうすればいいでしょうか?

答え

「すぐには売る気がない」と言われたら、「でも、高かったら売るんでしょう?」と返しましょう。

どんな客も「売らなさそーな」「買わなさそーな」顔でやってくる

確かに売る気がない人は…お客様じゃないですよね…。
売る気がない人は、もう対応しないようにしましょう本日はこんなところでサヨナラという訳にはいかないんですよね。

じゃ、「売る気がない」とか「価格を知りたいだけ」と仰っている方は対応しないのであれば、あなたは…

「不動産を持っているんですけど。売りたくて売りたくて仕方ない!すぐ売りたいんですけど、どうしたらいいですか?」というお客様だけを対応したいということになります。

でも、そんな人いますか?

例えば、あなたが服屋に行って、ジャケットを買おうとします。

そんな時って、「ジャケット買いたい」と心のなかで思ってても、いかにも買わなさそうななんとなくふらっと入っただけですよ~というような顔をしてませんか?
店員さんが声をかけてきても、「あ、ちょっと見させてもらっていま~す」ぐらいにして見てますよね。

そんな風にして見ていて、「これいいな!」と、店員さんの話を聞きたい時にはそこそこの距離にいて欲しいんですよね。

「ちょっと、いいですか」と言ったら、さっと来てくれる感じです。
それが本当に「ちょっと見てるだけなんで」と言ったら、もう客じゃないわーという対応でバックヤードにまで戻ってしまって、誰にも声が届かなくなったら困るでしょう。

「あの、すいません…本当はジャケットを買いに来たんですけど」って言わなければ、ならなくなる。そんなの変ですよね。

服屋さんに入ってきて「すいませーん、めちゃくちゃジャケット欲しいんですけどー。僕に合うジャケットありますか?」と仰らないように、不動産のお客様も一緒です。

売らなさそーな、買わなさそーな顔をして、お客様はいらっしゃいます。
だから、「すぐに売る気はない」「価格だけ知りたかった」って言うのは当たり前なんですよ

だから、売る気がないって仰っているお客様は本当は、売る気はあるかもしれないのです。上司や先輩がしっかり対応しろと、指導するのはこのためですよ。

どんな人も想像以上に高ければ、売る気になる

そもそも「売る気はないけど価格を知りたかった」という会話は、めちゃくちゃ変です。

なぜならば、我々が不動産会社の人間が提示する、いわゆる査定価格はどういう風に定義されているか。

色々な考え方はあると思いますけど、一般的には概ね3ヶ月以内にマーケットで売れる金額が査定価格とされている方が多いように思います。

つまり、我々が提示できるのは3ヶ月先までの売れると思える値段だけです。
そもそも、売る気がないなら、存在しない価格とあります。
だから、「価格が知りたい」っと仰るときは、価格じゃなくて価値と言ってもいいかもしれません。
価値を知りたい時は我々のような不動産会社じゃなくて、「どうぞ不動産鑑定士のとこに 行ってください」となってしまいますね。

「あと売る気がないけど、価格を知りたかっただけなんだ」という方に対して、私がお勧めしている営業トークは

でも高かったら売るんでしょう?

シンプルにこの一言で返してみてください。

余計なことをべらべらしゃべる必要はありません。

高かったら売るんでしょう?で対応しましょう。

僕が若い時に上司に言われたのは、「お客様が仰ることと、同業他社が言うことは鵜呑みにするな」ということです。

「お客様がそう言われたんで」「業者がこう言ってました」

上司は「お前は、そんな話を信じたらあかんで」と自分でちゃんと真意や、誰かだ言うことのその先に何があるのかきっちり確認してやらないと、それを確認するのが営業の仕事なんやでという風に教えていただきました。

私も今、この年になって色々な若い営業の方を、僭越ながらご指導する立場になった時に、その時の上司の言葉は本当だったと言い切ることができます。

お客様の言葉の、その先にある事が何なのか、それを確認された方がいいと思います。

ですから、売る気がないお客様を追客する必要はないですけど、本当に売る気がないかどうかは言い切れないですよね。

やはり、しっかりとお客さまを追いましょう。

 
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