【問47】不動産売り求むチラシ作成全般に関するまとめ問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト 「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第47回目となる今回はチラシ集客に関する知識を問います。(リビンマガジンBiz編集部)

【問47】不動産売り求むチラシを実施して売り反響獲得を目指す場合、その手法や考え方として正しいものは次の内どれか。

1.不動産売り求むチラシはオモテ面、ウラ面ともに「売り求むイメージ(例:売却までの流れ・取り扱いエリア地図・FAX査定シート等)」のデザインを採用し、不動産所有者が所有物件売却に際して抱く悩みや心配を解消する紙面にすべきである。

2.チラシの紙面だけでは掲載で出来る内容に限りがある。その為、不動産売り求むチラシ実施に先立ち、自社HP内に売却コンテンツを作成し、そのページのQRコードをチラシに記載する事により、当該売却コンテンツへ誘導する導線を引くべきである。

3.不動産売り求むチラシと一口に言っても「媒介獲得」と「買取獲得」では、不動産所有者に対する訴求ポイントも異なる。従って、媒介には媒介専用の、買取には買取専用のチラシを用意すべきである。

4.不動産売り求むチラシを実施する媒体はポスティングのみにするべきである。今や新聞購読者数は激減しており、新聞折込広告で売り求むチラシを実施する事は、お金をドブに捨てる事と同義である。

【正解肢】3

【【解説】

1.(誤)オモテ面・ウラ面ともに「売り求むイメージ(例:売却までの流れ・取り扱いエリア地図・FAX査定シート等)」を採用する効果を否定するものでは無いが、ベストな選択とも言い難い。 不動産売り求むチラシの作成に際しては片面のみを売り求むイメージのデザインとし、もう片面はチラシ配布エリア内の物件を掲載する事をお勧めする。このようなチラシを実施し、そのチラシを見て下さった不動産所有者様に「この不動産会社は、ウチの近くで沢山物件を扱っているのだな」との印象を持って頂けるよう努めたい。

2.(誤)チラシはチラシだけで完結する紙面を心掛け、ホームページへ「わざわざ」誘導する事はお勧め出来ない。勿論、チラシをご覧下さったお客様がご自身で会社名を検索し、自社ホームページへアクセスして下さる事は多いが、「わざわざ」誘導する必要はない。チラシは「即決」頂くことを旨として作成すべきで、無意味にお客様を振り回す事は慎むべきと考える。

3.(正)本来、媒介案件も買取案件も同じく「売却相談」から発生するものであるから、集客方法も同じで問題無いと考えがちである。しかし、買取を希望される不動産所有者と、媒介での売り出しを希望される不動産所有者では「刺さるPOINT」が異なる。従って、媒介には媒介専用の、買取には買取専用のチラシを用意すべきである。よって本肢の記述は正しく、本肢は本問の正解肢となる。

4.(誤)比較的若い層をターゲットとする「買いチラシ(物件販売用チラシ)」の場合は本肢記述のような理由により、新聞折込広告でのチラシ配布は控えた方が無難である。しかし、不動産売り求むチラシの場合は高齢者も重要なターゲットとなる為、新聞折込広告もまだまだ効果を発揮する。敢えて、新聞折込による不動産売り求むチラシの配布を推奨するものではないが、「お金をドブに捨てる事と同義」とまでは言えない。従って、本肢の記述は誤りである。

【参考記事】

・不動産売り求むチラシの基本的な考え方と、その目標反響率(2020年1月22日公開)

・不動産売り求むチラシ戦術に関する問題(2021年4月7日公開)

・売り求むチラシ作成法と配布エリアについて(2018年10月24日公開)

※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。

 
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