【問22】重点マンション仕入れチラシ(売り求むチラシ)の実施方法に関する問題
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第22回目の今回は、どうしても売り物件が欲しいマンションに対するチラシ配布を考えましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
【問22】重点マンション(商圏内のマンションの内、特に仕入れ施策を強化するマンション)への、仕入れチラシ(売り求むチラシ)実施方法に関する記述として正しいものは次の内どれか。
1. 重点マンションにポスティングする仕入れチラシ(売り求むチラシ)は、戸建て配布する仕入れチラシよりも多くの枚数を必要とする。その為、チラシの印刷を外注する際は、出来るだけ多くの枚数を一挙に印刷する事が望ましい。これにより1枚当たりの印刷単価を抑える事が可能となり、広告宣伝費の節約に繋がるからである。
2. 重点マンションにポスティングする仕入れチラシ(売り求むチラシ)オモテ面・ウラ面共に売り求むイメージチラシにするべきである。仕入れチラシにおいて重要な事は、マンション居住者に対する「社名の刷り込み」である為、イメージチラシで社名を目立たせることがなによりも重要である。
3. 重点マンションの総戸数は多ければ多いだけ良い。仕入れチラシは物件掲載チラシに比べて、反響が取れるか否かは「運」任せである部分が多い為、少しでも問い合わせを頂けるチャンスを増やすためには、配布総戸数を増やす必要がある。
4. 重点マンションにポスティングする仕入れチラシ(売り求むチラシ)は少なくとも、週に2~3回は配布するべきである。月に2~3回程度のチラシ配布で「やった気」になっているくらいならば、思い切って重点マンションへのチラシ配布を止めるべきである。
【正解肢】4
【解説】
1.(誤)配布するマンション毎にチラシを変えることは、重点マンション仕入れチラシ基本中の基本である。各チラシに「〇〇〇(マンション名)の高値売却は△△△不動産の山田まで!」といったキャッチコピーと、マンションの外観写真を入れる必要がある。つまり、重点マンション仕入れチラシは、自ずから「マンション毎のチラシ作成と配布」を実施する事となる。1枚当たりの印刷単価を抑え、広告宣伝費を節約する事は確かに重要だが、「反響を獲得する」事が目的であり、広宣費の節約が目的ではない事を再認識すべきである。
2.(誤)マンション居住者に対する「社名の刷り込み」は大切である。よって本肢後段の記述は正しい。しかし、オモテ面・ウラ面共に売り求むイメージでは無く、ウラ面には当該マンション内の売り物件情報や、当該マンションを中心に500m圏内の売りマンション情報を記載し、マンション居住者に対し「〇〇不動産は、この辺りのマンションに強そうだな」とのイメージを植え付ける工夫を施すべきと考える。
3.(誤)重点マンションの総戸数は大型マンションが多い地域でも5000戸強程度に絞り込むべきと考える。【重点】マンションと呼ぶ以上、重点的な施策が可能な範囲内で総戸数を決定すべきである。尚、反響が取れるか否かは「運」任せなどとは言語道断の考え方でである。
4.(正)本肢記述の通り。重点マンションにポスティングする仕入れチラシ(売り求むチラシ)とは、【重点】的に絞り込んだマンションに対し、自社の認知度を上げる施策であり、チラシの質だけでなく、その実施頻度も重要である。よって、本肢は本問の正解肢となる。
【参考記事】
・重点マンション仕入れチラシ|不動産売り求むチラシ作成講座(2020年03月18日公開)・不動産売り求むチラシ実施の方法は新聞折込?ポスティング?(2020年04月01日公開)
h
※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。