【問18】不動産売り求むチラシの考え方に関する問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。
第18回目となる今回は、チラシ作りを深掘りします。(リビンマガジンBiz編集部)
【問18】不動産売り求むチラシを作成、実施するにあたり、その基本的な考え方として正しいものは、次の内どれか。
1. 不動産売り求むチラシの反響率は地域によって大きく異なり、物件チラシの反響率やWEBサイトのコンバージョン率のように一般的な成功の指標を設定しにくい。従って不動産売り求むチラシに関し「目標反響率」を予め設定する事は意味が無い。精一杯の工夫を凝らしたチラシを作成する努力を積み重ねる事こそが、不動産売り求むチラシに取り組む姿勢として正しい。
2. 地域密着型の不動産売買仲介営業担当者は、自らが仕入れを担当する「重点エリア」や「重点マンション」を選定し、これらのエリアやマンションに営業担当者が自ら毎日、ポスティングチラシを実施すべきである。このように担当エリアを実際に毎日歩き、自ら汗を流す事こそ不動産売り求むチラシに取り組む姿勢として正しい。
3. 物件チラシは結局のところ「物件の力」で反響数は大きく変わるが、不動産売り求むチラシはチラシの内容が重要となる。その為、お客様に良いイメージを持って頂けるチラシ作りを心がけるべきである。例えば、「安全・安心の取引」や「スムーズな売却」といった安心感を与えるキャッチコピーの横に、可愛いイラストなどを添えた愛されるチラシ作りこそ、不動産売り求むチラシに取り組む姿勢として正しい。
4. 不動産売り求むチラシは、「自社の販売力」という目に見えないものを訴求し、お問い合わせを頂かなくてはならない。その為、チラシ紙面はどうしても充分な説明文が必要になる。自社が売主様から選ばれる理由などを文章で記載する等、読ませるチラシ作りこそ不動産売り求むチラシに取り組む姿勢として正しい。
【正解肢】4
【解説】
1.(誤)不動産売り求むチラシの反響率が地域によって大きく異なる事は事実だが、集客施策である限り反響歩留まりの目標値は設定すべきである。私のクライアントに対しては、チラシ12,000部~15,000部の配布で問い合わせ1件を目標にして頂いている。
2.(誤)地域密着型の不動産売買仲介営業担当者は、自らが仕入れを担当する「重点エリア」や「重点マンション」を良く知る事は大切であり、その為にエリア内を歩いて回る事は重要である。しかし、ポスティングチラシを配布するというアルバイトにでも出来る仕事を毎日、営業担当者が自ら行う事は無駄が多すぎる。ポスティング実施に当たってはポスティングスタッフの活用や、ポスティング業者への委託を検討すべきである。
3.(誤) 物件チラシには「可愛らしさや親近感」がある程度必要であると考える。しかし、不動産売却とは保有資産の現金化であり、売主様はその依頼先を選ぶ際、不動産購入時より冷厳な態度で不動産会社選別される事が多いと考える。従って、安心感を与えるキャッチコピーや可愛いイラストの記載はお勧め出来ない。
4.(正)本肢記述の通り。不動産売り求むチラシは、自社が売主様から選ばれる理由などを文章で記載する等、読ませる紙面が問い合わせを効果的だと考える。従って本肢の記述は正しく、本問の正解肢となる。
【参考記事】
・不動産売り求むチラシの基本的な考え方と、その目標反響率(2020年01月22日公開) ・不動産仕入れの為に、営業担当者は自らチラシ投函を行うべきか否か?(2020年09月09日公開)※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。