【問13】不動産仕入れダイレクトメールの文章作成(訴求ポイント部分)に関する問題|不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト
売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。
第13回目となる今回は、ダイレクトメール本文に必須といえる、とあるワードについて学びましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
【問13】不動産仕入れダイレクトメールの作成に際し、必ず本文に記載したい文章として正しいものはどれか。
1. この度は突然お手紙をお送り致しまして、誠に申し訳ございません。ご無礼の段、深くお詫び申し上げます。
2. ご所有になっておられる空き家に関して、賃貸・売買・リフォーム・有効活用のご予定は無いかとご連絡差し上げた次第でございます。
3. あなたのご所有の不動産を空き地や空き家にしておくことは、本当に勿体ないことです。不動産のプロである私が、全力を挙げて高値成約を目指しますのでご期待下さい。
4. 弊社は地元密着の不動産会社であり、弊社に御自宅売却のご用命を頂戴出来ましたら、スムーズ且つ安心なお取引をお約束致します。
【正解肢】3
【解説】
1.(誤)我々、不動産会社が不動産所有者様にお手紙を差し上げる場合、その内容は所有者様の利益に繋がる(高値成約等)提案にしなくてはならない。しかし、本肢記述のように謝ってばかりの手紙だと、所有者様から「こんなに何回も謝らなければならないという事は、私にとって利益にならない内容が書いてあるのだな」との印象を持たれる恐れがある。不動産仕入れダイレクトメールに謝罪文は不要であると考える。
2.(誤)ダイレクトメール作成時、その訴求ポイントは出来るだけ絞った方が問い合わせを獲得し易い。従って売却なら売却、リフォームならリフォームの提案を行うべきと考える。本肢のように賃貸・売買・リフォーム・有効活用等と複数の提案を併記し「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」式では、結局のところ「虻蜂取らず」「二兎を追う者は一兎をも得ず」といった結果を招く可能性が高い。
3.(正)不動産所有者様への提案は「高値成約」に絞るべきだと考える。よって本肢記述の文章は不動産仕入れダイレクトメールの文章に適しており、本問の正解肢となる。
4.(誤)我々は不動産のプロであるから、不動産取引が必ずしも「スムーズ且つ安心なお取引」でをない事を知っている。しかし、一般のお客様である不動産所有者様にとって、「スムーズ且つ安心なお取引」等は当たり前の事である。つまり取引の安全を訴えたところで所有者様に響く可能性は低く、不動産仕入れダイレクトメールの文章に適しているとは言い難い。
【参考記事】
・駄目な不動産DM解説|非礼をひたすら詫び続けるDM(2019年10月30日公開)
・駄目な不動産DM解説|売買・賃貸・リフォーム何でも出来るDM(2019年11月06日公開)
・駄目な不動産DM解説|安心のお取引を約束するDM(2019年11月13日公開)
・駄目な不動産DM解説|士業との繋がりを強調するDM(2019年11月27日公開)
※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。