【問11】不動産仕入れダイレクトメールの開封率向上に関する問題|
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。第11回目となる今回は、せっかく送っても開かれないと意味がない、ダイレクトメールの開封率について知識を問います。(リビンマガジンBiz編集部)
【問11】不動産仕入れダイレクトメールを実施する場合、先ず重要視すべきはダイレクトメールを開封して頂く事であるとされる。この開封率を向上させる施策として誤っているものは次のうちどれか。
1. 大きい封筒で目立させる必要がある為、ダイレクトメールを封入する封筒は、長形3号封筒(ながさん)では無く、角形2号封筒(かくに)を用いる。
2. 宛名書きはラベルシールや印刷では無く、手書きで一枚一枚丁寧に仕上げる。
3. 「親展」や「重要」のハンコを押すなどして、重要な書類が封入されている事を伝える。
4. 「〇〇市〇〇町でご所有の不動産高値売却に関するご提案在中」等と封筒に記載し、封を開けずとも内容が分かるように工夫する。
【正解肢】4
【解説】
1.(正)長形3号封筒にA4のDMを三つ折りにして送付している不動産会社が多い。実際に、梶本のクライアント先でテストした結果では、角形2号封筒を用いた場合に反響が多かったため、開封率も高いと思われる。又、使用する角形2号封筒も社用封筒と市販の封筒で、ABテストを実施する事をお勧めする。梶本の実施したテストでは、都心部は市販封筒、郊外部では社用封筒が効果的であった。
2.(正)宛名書きをラベルシールや印刷するくらいならば、ダイレクトメール自体を実施しない方が良い。そのくらい宛名書きを手書きする事の効果は絶大で、手間暇を惜しまずに一枚一枚手書きする事をお勧めする。ダイレクトメールは雑な500通よりも丁寧な50通の方が問い合わせを獲得出来ると考える。
3.(正)「親展」や「重要」のハンコを押す事はダイレクトメールの開封率向上に効果的である、又、「親展」のハンコを押す事は登記名義人ご本人に直接手渡して頂ける事が期待出来、是非とも実施したい施策の一つと言える。
4.(誤)不動産所有者の中には家族にも秘密で不動産を所有されているケースもある。又、封筒に「〇〇市〇〇町でご所有の不動産高値売却に関するご提案在中」等と書いてしまうと、もし他人に封筒を見られた場合、不動産所有者の資産状況が第三者に知られてしまう事となる。
「〇〇市〇〇町でご所有の不動産高値売却に関するご提案」などと言う文言は、ダイレクトメール本文に記載する事は大切だが、封筒に書く事はクレームを誘引する事にも繋がりお勧め出来ない。
よって本肢記述は誤りであり、本肢は本問の正解肢となる。
【参考記事】
・不動産売り主向けDMで、開封率を向上させる封筒とは?(2019年12月04日公開)
・不動産売り求むDMにおける「宛名書き」の重要性を知る(2019年12月11日公開)
※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。