媒介受託率向上のためには、業物の物件確認が必須⁉|月に2.5件の媒介を獲得する営業活動

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。


実在する不動産営業社員の九州の山本さんと一緒に、月に2.5件の媒介を獲得するために必要な行動を学んでいきます。今回は、物件確認について紹介します。実は、売り物件仕入れにも物件確認が役立つって、知っていましたか?(リビンマガジンBiz編集部)

画像=pixabay

みなさん、こんにちは。

株式会社レコの梶本幸治です。

地域密着型の不動産営業担当にとって、エリア内の売り物件を把握しておく事は大切です。

直物件・自社物件を把握しておくことは勿論、他の不動産会社から売りに出ている物件(業物・先物)も見ておく必要があるでしょう。

案内時にお客様から「この近くで以前、〇〇不動産販売さんから売り物件が出ていましたね~」と言われたけれど、そんな物件が出ていたことなんて全然知らず、ごまかす事に苦労した…なんて経験をされた方も多いと思います。ちなみに私も現役時代、何度もこのような経験をして冷汗をかきました。

「エリア内の売り物件も把握していないのか。頼りない営業担当だな」と思われてしまうと、その後の営業がやりにくくなります。

お客様の信頼を勝ち取るためエリア内売り物件の現地確認(以下、物件確認という)は大切です。

「物件確認は大切ですよ」と申し上げると、買付営業成功の秘訣だと思われがちですが、物件確認は仕入れ活動にも必要です。

前回のコラム「不動産業者への業者訪問は、何のために行うのか?(2020年9月15日公開)」で、成約事例の特殊事情を知っているか知っていないかで査定の精度も変わる事と、特殊事情ヒアリングする為に不動産業者訪問が大切だと申し上げましたが、成約事例物件を実際に見ておく事も大切です。

又、査定後、実際に物件を売り出した際のライバルとなる、業物を把握しておくことは販売戦略上重要ですので、エリア内の業物をしっかりと物件確認しておきたいところです。

このように物件確認を徹底し、「私はエリア内の物件を全部見ている」と言えるレベルに達せると、売主様との折衝に自信満々で臨むことができ、媒介受託率向上につながるでしょう。

では、九州の山本さんの実績はどれほどなのか?

では、私のクライアント先の20代営業担当者様(九州の山本さん)が、2018年7月~2020年4月の22か月間で実施した物件確認の物件数を見てみましょう。

九州の山本さんは上記期間で合計の502件の物件現地を確認されました。月平均22.82件になります。

月に23件弱の物件確認を実行出来ていない営業担当は多いと思います。

「別に現地は確認していないけれど、物件資料は見ているし、ポータルサイトに掲載されている写真も見ているから充分だろう」と安心しておられる方も多いと思います。

物件を見ないスタンスでも営業成績を上げておられる営業担当者は、そのスタンスでも良いかも知れません。しかし、営業成績が並み以下の営業担当者は「物件確認をしなくても充分」などという【不動産営業を舐めた態度】を改めて頂きたいものです。

九州の山本さんは営業センスもあり、結果も残しておられます。

それでも不動産営業の基本である物件確認の手を抜くことはございません。

不動産営業の基本は物件確認です。

大切な事なので二度申し上げました。

POINT

・不動産営業の基本は物件確認。

・物件確認を通じて成約事例を見ておき、仕入れ後の販売戦略にも役立てよう。

 
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