仕入れ手法として空地空家調査を行う時の、月間目標調査件数|月に2.5件の媒介を獲得する営業活動
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
実在する不動産営業社員の九州の山本さんと一緒に、月に2.5件の媒介を獲得するために必要な行動を学んでいきます。今回は、徒歩による営業活動です。(リビンマガジンBiz編集部)
画像=写真AC
みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
私は不動産仕入れ施策の二本柱として、不動産一括査定サイトの活用と、空き地空き家ダイレクトメールの実施を推奨しています。
この内、不動産一括査定サイトの活用は簡単にスタートする事が出来ます。お金を払えば良いだけの話ですから。多くの反響が欲しければ、多くの不動産一括査定サイトへ登録することで、「反響数」は簡単に確保できます。
しかし、空き地空き家ダイレクトメールはそういう訳には行きません。
エリア内を実際に歩いて1件、1件、空き地や空き家を調べる必要があります。
車や自転車で見回る方もいらっしゃいますが、きっちり調査しようと思うと歩かなければなりません。
不動産調査会社に依頼する方法もありますが、情報の「鮮度」に疑問符が付く他、調査会社は当然、他の不動産会社にもその「空き地空き家リスト」を販売しますので、ダイレクトメールが重複する可能性が高くなります。
反響率を高めようと考えると地道に歩いて調査する事が必要なのです。
では、月に何件くらいの空き地や空き家を調べれば良いのでしょうか?
私はクライアント先の20代営業担当者様(九州の山本さん)に対し、月30件の空き地空き家調査を目標として設定させて頂きました。
では、実際に九州の山本さんが作成された空き地空き家調査の件数をご紹介します。
【2018年】
7月:54件
8月:51件
9月:20件
10月:4件
11月:15件
12月:65件
【2019年】
1月:30件
2月:41件
3月:26件
4月:33件
5月:38件
6月:48件
7月:52件
8月:19件
9月:22件
10月:68件
11月:59件
12月:60件
【2020年】
1月:42件
2月:72件
3月:50件
4月:36件
九州の山本さんが空き地や空き家を調査された件数は、2018年7月~2020年4月の22か月間で合計905件、月平均41.14件でございました。
九州の山本さんの気合が伝わってくるような調査件数ですね。
この数字を「空き地や空き家を調べて売り求むのアプローチをしようと思うんだけど、調査が面倒なんだよなぁ」と言っている営業担当者に見せてあげたい気持ちです。
そして少し余談になりますが、空き地や空き家を調べる為に商圏内を歩き回ると、不思議と「担当エリアに対する愛着」が湧いてきます。これは空き地空き家調査の副産物と言えるでしょう。
あまり精神論的な事は申し上げたくありませんが、地域密着型の不動産営業担当にとって、この「担当エリアに対する愛着」は非常に大切です。車だけで移動するのではなく、たまにはエリア内を歩いてみて下さい。
では次回のコラムでは、空き地空き家調査後のダイレクトメール送付に関してご紹介致します。
POINT
・空き地・空き家の調査はやはり歩いてやろう。
・歩けば、担当エリアに対する愛着が湧いてくるはず。