不動産価格査定書を月に何件作成すれば媒介が取れるのか?|月に2.5件の媒介を獲得する営業活動
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
仕入れ営業の実践について学んでいます。同士・九州の山本さんと一緒に、不動産価格査定書について学びましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
今回のコラムでは不動産仕入れ活動では不可欠な、不動産価格査定書の作成頻度について取り上げたいと思います。
尚、不動産価格査定の提案方法を知りたい方は2019年09月04日公開のコラム「不動産査定価格は2000万円~2300万円です←この提案は最悪です」をご参照ください。
私はクライアント先の20代営業担当者様(九州の山本さん)に対し、月15件の査定書作成を目標として設定させて頂きました。
では、実際に九州の山本さんが作成された査定書の件数をご紹介します。
九州の山本さんが不動案価格査定書を作成された件数は、2018年7月~2020年4月の22か月間で通算191件、月平均8.68件でございました。
その中で多い月は14件作成され、少なかった月は4件の作成に留まっています。
月目標15件に対し、作成件数8.68件ですから目標達成率57.86%となり…「駄目じゃん」と思いがちですが、実はそうではないのです。
九州の山本さんが月に獲得した「売り反響(一括査定反響+DM反響+チラシ反響)」は平均11.52件だったのですが、それに対し査定書作成が8.68件でしたので、【反響に対する査定書作成率は75.34%】となります。
そう考えるとなかなかの査定書作成率だと思います。まぁ、既存顧客への再査定を提案するなどして、目標の15件の達成して頂けるのがベストなのですが、まぁそこまで厳しい事を申し上げる必要もないでしょう。
「反響」の中には「確度の高いダイレクトメール反響」も「殆ど冷やかしに近い一括査定反響」も含まれます。
上記の点を考慮頂いた上で、【反響に対する査定書作成率は75.34%】とい数字をご覧頂いた場合、あなたはどう感じられますか?
殆どの方が、「九州の山本さんは沢山査定書を作っているなぁ」と感じられた事でしょう。
多くの不動産業担当者は不動産売却顧客に対し査定価格をする際、口頭で伝えるか、メール本文に記載するか、A4一枚ペラに価格を記載して渡すなどの簡易な方法を取っていると思います。
こんな簡易な方法で価格査定を伝えていては、なかなか媒介受託率は上がらないでしょうし、本コラムの目標である「月に2.5件の媒介を獲得」などは夢のまた夢と言わざるを得ません。
不動産価格査定書は「内容の濃い薄いに関わらず、全てのお問い合わせに対し作成する」事が重要であり、作成する査定書も「何ページにも亘る分厚い査定書を作成し、参考資料と共に綺麗に製本」する事が必要です。
「え~。面倒くさいなぁ。査定価格なんて口頭で伝えたら良いじゃん。」と思われる」かも知れませんが、今まで何回も申し上げている通り、仕入れ活動は不動産会社の最重要テーマですから、丁寧に丁寧に取り組んで下さい。仕入れが安定すれば業績は自ずから安定するのですから。
POINT
・査定書はきれいに製本すること。
・反響内容の濃い、薄いに関係なく作成すること。