不動産売主様へは、月に何回電話で報告すべきか?|月に2.5件の媒介を獲得する営業活動

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。


実在する不動産営業社員の九州の山本さんと一緒に、月に2.5件の媒介を獲得するために必要な行動を学んでいきます。今回は、売主への電話を考えます。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

みなさん、こんにちは。

株式会社レコの梶本幸治です。

前回のコラム「不動産売主訪問は、月に何回行えばよいのか?」では、クライアント先の20代営業担当者様(九州の山本さん)が月平均9回の売主訪問を行っておられるとご紹介しました。

今回は「売主へ電話を掛けた件数」をお伝えします。

売主へ電話を掛けた件数とは、既に媒介を頂いており現在販売中の売主様及び、未だ媒介を頂けていない売却希望顧客への「売主訪問の代替」となる架電件数です。単なる事務連絡はここに含みません。本来であればお目にかかってする話を、事情によりやむを得ず電話で行った件数とお考え下さい。

九州の山本さんが売主へ電話を架けられた回数は、2018年7月~2020年4月の22か月間で通算221回、月平均10.05回でございました。

最も多く売主様へ電話を架けられたのは2018年10月の19回で、この月は売主訪問も17回で最多の月でした。

2018年7月入社の九州の山本さんは、三ヶ月の見習い期間を終え、この月から本格的に営業現場に出て頂いたので、特に気合が入っていたのかも知れませんね(笑)。

ここまで読んで頂いたベテラン社員の方の中には

「電話の回数なんてカウントしてないよ。訪問件数のカウントなら意味もあるけど、売主に電話をかけた回数なんてカウントして意味あるの?」

と思われた方もいらっしゃるでしょう?

この「売主へ電話を掛けた件数」は前述の通り、「売主訪問の代替」となる架電件数ですので売主訪問と同様に、営業活動内容を精査する材料として必要と私は考えています。そして、その他にも1つ理由がございます。

固定電話で育った昭和世代と異なり(ちなみに私は昭和48年生まれ。イチロー選手と同い年です)、携帯電話で育った若い世代の中には、ビジネスで電話を使う事を苦手としている人が散見されます。

いや、散見されるどころか、結構いらっしゃるイメージです。オフィスに架かってきた電話を取る時、緊張される方も多いようですから。

昭和世代は「たかが電話だろ。簡単じゃないか」と思われるかもしれませんが、若い新人営業担当者が電話に苦手意識を持っていないか気にかけて差し上げる事も必要ではないでしょうか。

九州の山本さんはガンガン電話を架けておられるので、「苦手意識チェック」の意味でカウントしているわけではないのですが、若い方を指導する時は「電話での商談」に関しても、丁寧に教えてあげて下さい。

まとめになりますが、前回ご紹介した売主訪問が月9回、「売主訪問の代替」としての電話が月10.05回ですから、月に20回ほど、売主様とコンタクトをとっている事になります。

このように売主様と連絡を取る頻度を上げていく事が、月に2.5件の媒介を獲得する秘訣の一つと呼べるかも知れません。

POINT

・訪問のかわりになる電話は、営業活動である。

・電話が苦手な若い社員には丁寧な指導が必要だ。

 
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