不動産売主訪問は、月に何回行えばよいのか?|月に2.5件の媒介を獲得する営業活動
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
仕入れ営業の実践について学んでいます。同士・九州の山本さんと一緒に、売主訪問件数について学びましょう。(リビンマガジンBiz編集部)

みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
今回のコラムではクライアント先の20代営業担当者様(九州の山本さん)の売主訪問件数と、その内容についてご紹介して参ります。
ここでいう「売主訪問」とは、既に媒介を頂いており、現在販売中の売主様及び、未だ媒介を頂けていない売却希望顧客への訪問件数を指します。成約後、決済の段取り等で売主様にお目にかかった件数はここに含まれておりません。
九州の山本さんが売主訪問を実施された回数は、2018年7月~2020年4月の22か月間で通算198回、月平均9回でございました。
その中で一番多く売主訪問を実施された月は2018年10月の17回で、最も少なかった月はコロナの影響を受けだした2020年3月の3回でございました。
月平均9回の売主訪問はそんなに多くない印象も受けますが、なかなか達成は難しいと思います。
ここで、「月に9回売主訪問するのは良いけれど、いったい何をしに行くんだろう?」との疑問を持たれた方も多いでしょうから、その点をご紹介します。
先ず、未だ媒介を頂けていない売却希望顧客への訪問ですが、私から九州の山本さんに対しては次のようにお願いしています。
【県外にお住いの売却希望顧客であっても、積極的に会いに行く】
県外、特に遠方にお住まい(九州から見れば関東など)の場合、我々不動産営業担当は「次はいつ頃、地元へ帰ってこられますか?」と尋ねる事が多いでしょう。
しかし、九州の山本さんはどんな遠方のお客様であっても、「お伺いして差し上げましょうか?」と提案されています。実際、東京などへもフットワーク軽く出向き、専任媒介を獲得される事もございます。
当然、あまりにも低額な案件で遠方へ伺う事は難しいでしょうし、コロナ禍の現在にあっては出張のリスクも検討しなければなりません。
但し、フットワークの軽さは必要だと感じています。
仕入れ活動は不動産会社の最重要テーマですから、遠方まで伺うだけの価値があると私は思っています。
次に、既に媒介を頂いており現在販売中の売主様への訪問ですが、私から九州の山本さんに対しては下記のようにお願いしています。
【媒介取得時に「2週間に1回の面談」を約束して頂く】
媒介取得直後は売主様とお目にかかってお打ち合わせする事も多いでしょうが、次第にその頻度は下がりがちです。特に高値で受託した売主様とは、次の媒介更新時期まで音信不通なんて事もありますよね。
このように音信不通になる事を避け、売主様宅へお伺いする為の名目として、媒介取得時に「2週間に1回の面談」と売主様と約束して頂いています。
この方法だと、価格の値下げや媒介更新もスムーズですからお勧めです。
あなたも一度、ご自身の売主訪問回数を見直されては如何ですか?
POINT
・県外(都道府県)であっても、売主には積極的に会いに行こう。
・媒介取得時に2週間に1回の面談を約束してもらい、それを実行しよう。