不動産売り求む看板で、仕入れを増加させる方法をご存知ですか?
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
チラシや一括査定サイト以外の不動産仕入れについて集中的に学びましょう。みなさん、看板広告について深く考えたことありますか?今回は看板のお話です。(リビンマガジンBiz編集部)
みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
街を歩いている時や、車で幹線道路を走っている時、不動産会社の看板を目にする事があります。
どのような内容が書かれているかと注目してみると。
【不動産総合 〇〇興産】
【不動産売買 賃貸 管理 〇〇不動産】
【あなたの笑顔が大好きです 〇〇エステート】
といった感じの内容が多いように感じます。
どういう意図を持ってこのような看板を作成したのでしょう?
100歩も1000歩も10000歩も譲れば、【不動産総合】や【不動産売買 賃貸 管理】はまだ意味が分かります、しかし【あなたの笑顔が大好きです】は本当に意味不明。
見ず知らずの不動産屋に「笑顔が大好き」とか言われても気持ち悪いだけです。
私の知り合いの中にも、上記のような看板を出している不動産会社社長が何人かいましたので、その「看板製作趣旨」を聞いたことがあります。すると、次のような答えが返ってきました。
「毎日、毎日、うちの看板の前を通り、うちの社名を目にしているウチに、刷り込み効果があるんだよ。不動産を売ろう、不動産を買おう、不動産を貸そう、不動産を借りよう、そう思った時にウチの社名を最初に思い出して貰えれば商売に繋がると思うんだ」
この答えを聞いた後、私から「今まで、そんな看板反響があったのか?」、「社名刷り込みによる効果は実証出来るのか?」と再度尋ねると(まぁ、ちょっと意地悪な質問ですが…)、同社長の本音が聞き出せました。
「もう、苛めないで下さいよ~。梶本さんも人が悪いなぁ。看板の文言に意味なんかあるわけないでしょ。知り合いの広告代理店から【看板の設置場所が空いたので、看板出して下さいよ。お安くしときますから】と言われ、まぁ付き合いもあるから適当に社名を書いといただけだよ。だってそもそも看板から反響なんて来ないもん。物件の看板なら反響も見込めるけど、街なかの看板や、ロードサイドの看板なんて問い合わせの取りようがないよ」
まさに本音ですね。刷り込み効果なんて、これっぽっちも期待していなかったという事です(笑)。
しかし、この社長の言ったことは、不動産屋の本音をいみじくも言い表していたのです。
「街なかの看板や、ロードサイドの看板なんて問い合わせの取りようがない」と!
確かに街なかの看板や、ロードサイドの看板から反響を取ることは難しいと思います。
そこで、「これらの看板反響は年間1件か2件程度の反響で良い」と良い意味で諦め、その為にターゲットを絞った看板を作成しては如何ですか?
そのターゲットとは「不動産所有者(潜在的売り主様)」です。
そうです、街なかの看板や、ロードサイドの看板は「売り求むの看板」を作成しましょう。
その具体的な作成方法や文言は、次回のコラムでご紹介いたします。
POINT
・何となく看板広告だしてるなら、いま一度、効果を考えてみよう。