各地域の「まちゼミ」を活用した不動産仕入れ手法とは?
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
チラシや一括査定サイト以外の不動産仕入れについて集中的に学びましょう。今回は、ま、まちゼミ?耳慣れないかもしれませんが、これ、使えますよ。(リビンマガジンBiz編集部)
みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
あなたのエリアでは“まちゼミ”は開催されていますか?
“まちゼミ”とは、「得する街のゼミナール」の略称で、2003年に愛知県岡崎市発祥のイベントとの事です。各地の商店街店主がその専門知識を活かして講師を務め、商店街や地域の発展に寄与しようという趣旨で開催されていますが、ご存知でしたか?
「そう言えば商工会から案内が来ていたけれど、参加したことはないなぁ」とおっしゃるあなた、それは非常に勿体ないですよ。
まちゼミへの参加と聞くと、地域振興や商店街活性化の為だと考える方が多く、商売に繋がると考える方は少ないようです。
確かに、まちゼミの開催趣旨としては地域振興や商店街活性化も含まれていますし、地域に暮らす住民の皆様に喜んでいただくことが一番大切です。
しかし、仕事として行っている以上、やはり商売には繋げたいところです。
そこで私から提案です。
まちゼミとして、次のような講座を開設しては如何でしょうか?
・空き地や空き家の心配解消講座
・〇〇市の不動産を高値で売却する市民講座
・実家を相続した時に役立つ不動産売却講座 等々・・・。
まちゼミのような公共性の高いイベントで「不動産何でも講座」というような、ターゲットを絞っていない題材を選んでしまうと、来場者0組なんて事も珍しくありません。
そこで、「マイホーム購入相談会」等、購入者向けの講座を選択すると来場者はそこそこあるかも知れませんが、「今すぐのお客様」は少なく、「いつかどこかで家を買いたい」という、長期フォローのお客様ばかりになりがちです。
そこで、上記のような【売却に絞った講座】を開催すれば、来場客が見込める上に、商売上も充分に満足出来るお客様に出会える可能性が高まります。
更に、「空き地空き家」、「相続」といった問題は、日本国中どこでも悩んでおられる方が多く、この点でも「地域のお役に立つ」というまちゼミの趣旨に合致します。
ここで、各地の商工会等が実施する、まちゼミの開催告知チラシでどのくらいの反響が見込めえるのか、私のクライアントでの実施例を少しご紹介しましょう。
ここで、各地の商工会等が実施する、まちゼミの開催告知チラシでどのくらいの反響が見込めえるのか、私のクライアントでの実施例を少しご紹介しましょう。
●関西地方某市(人口約40万人)
・チラシ実施部数(まちゼミ運営事務局が実施):9万部
・チラシ反響:9件
●関西地方某市(人口約6万人)
・チラシ実施部数(まちゼミ運営事務局が実施):2万部
・チラシ反響:4件
ご存知の通り、まちゼミのチラシは全講座(物販、飲食、士業など様々な業種)が一覧で掲載されており、各講座の掲載スペースはごくごく小さなものです。
そのようなチラシで【9万部で9件の反響】、【2万部で4件の反響】が取れれば充分だと思いませんか?
我々、地域密着型の不動産仲介会社は、まちゼミのような地域の取り組みに積極的に参加し、地域振興や商店街活性化に寄与しつつ、しっかりと商売につなげていく姿勢が大切だと私は考えています。
是非、あなたの会社でも、次回のまちゼミに申し込んでみては如何ですか?
POINT
・まちゼミに申し込もう!
・講座の内容は絞り込むべし。