自社運営の「地域限定版:不動産査定サイト」の作成法
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
チラシや一括査定サイト以外の不動産仕入れについて集中的に学んでいきます。今回は自社運営の不動産査定サイトの可能性を知りましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
画像=写真AC
みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
前回の記事ではコンテンツマーケティングによる、自社ホームぺージでの物件仕入れ(媒介獲得)方法についてご紹介いたしました。
今回の記事では、最近不動産業界内でも注目を集めつつある、自社運営による「地域限定版:不動産査定サイト」制作に関し解説していきます。
この自社運営による「地域限定版:不動産査定サイト」ですが、簡単にも申し上げますと「小規模な不動産一括査定サイト」です。
具体的には、自社ホームページの売却査定コンテンツを、不動産一括査定サイトと同じようなテイストに仕上げ、対象エリア(市町村単位)を限定した中で反響獲得を目指します。
では、この自社運営による「地域限定版:不動産査定サイト」を制作する際に気をつけるべき点を列挙します。
・「地域限定版:不動産査定サイト」としての独自のサイト名を付ける。 ・「各町名、マンション名+不動産査定」等、売却キーワードでのオーガニック検索にかかり易い設計にする。 ・所在地、土地面積、建物築年数、建延面積等を入力すると大まかな価格が出るようにする。 ・マンションについても同様に、階数、バルコニー方向、専有面積を入力すると大まかな価格が出るようにする。 ・地域色のある売り主用コンテンツを用意する。
|
ちなみに弊社、株式会社レコでも上記のような「地域限定版:不動産査定サイト」を制作し、各地の不動産会社様に導入して頂いておりますが、その成果について一例を下記の通りご紹介します。
対象エリア:人口50万人規模の地方都市
集計期間:2018年1月~2020年2月(26ヶ月間)
反響件数:32件
仕入件数:20件(内訳)専任媒介:11件、一般媒介:6件、買い取り:3件
成約件数:16件(内訳)両手成約:7件、片手成約:7件、買取再販:2件
26ヶ月で反響32件、仕入れ20件、成約16件なら、そこそこの成果と呼べるのではないでしょうか?
反響32件で仕入れ(媒介受託・買取)が20件という事は、受託率62.5%となり、私のクライアントの一括査定サイト平均受託率11.04%を大きく上回っており、この点からも、自社で「地域限定版:不動産査定サイト」を持つ事の意義をご理解頂けると思います。
※不動産一括査定サイトの受託率詳細に関しましては、私が運営するサイト「梶本のコンサル」内の記事「2019年媒介受託率集計から見る、不動産一括査定サイトの仕入れ比較」をご参照ください。
今後、インターネットからの仕入れ活動は益々その重要度を増すでしょう。
インターネットでの仕入れに関しましては、不動産一括査定サイトからの媒介受託率を常に10%以上で維持する事と、しっかりと反響の取れる「地域限定版:不動産査定サイト」を自社運営する事を当面の目標とされては如何でしょうか。
POINT
・「地域限定版:不動産査定サイト」で成果を上げよう!