不動産売り求むチラシ実施の方法は新聞折込?ポスティング?
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
不動産仕入れに役立つチラシについて学んでいます。今回はチラシの配布方法を考えます。(リビンマガジンBiz編集部)
画像=PIXABAY
みなさん、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
前回まで、どのような不動産売り求むチラシを作成すれば反響が取れるのかについて、様々な種類の不動産売り求むチラシを紹介しながら解説して参りました。
しかし、「どんなチラシを作るか」と同じくらい大切な事を忘れてはいけません。
研究に研究を重ね、頑張って作成した不動産売り求むチラシを「どのようにしてご覧頂くか」についても、検証する必要があるでしょう。
そこで今回のコラムでは、「不動産売り求むチラシ実施の方法は新聞折込?ポスティング?」について考えていきたいと思います。
新聞折込広告は年々反響が落ちてきており、「チラシ大好き」であった我々不動産業界の中でも、新聞折り込み広告を止める不動産業者さんは増えてきました。
日本新聞協会のHPに掲載されている「新聞の発行部数と世帯数の推移」を見ても、1世帯
当たり部数は2008年に1.00部を切る「0.98部」となって以降、一度も1.00部以上を回復することなく、ひたすら右肩下がりを続け、2019年にはついに「0.66部」になってしまいました。
(参考資料)
特に若い世代の新聞離れは凄まじいようで、総務省が2018年に調査結果として発表した「平成29年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」を基にした報道の中には、20代の新聞閲覧率1割足らずとの記事もございました。
若い世代が新聞を読んでいない(購読していない)以上、この年代をターゲットとした物件チラシを新聞に折り込んでも意味はなく、不動産業界全体がチラシの実施媒体として、新聞折込からポスティングに移行しつつある事は納得が行きます。
私もクライアントに対しては「買いチラシの新聞折込実施は、販売開始時の1回だけに留めて下さい」と提案しています。何回も、何回も新聞折込を実施する事はお金の無駄と言っても良いでしょう。
では、不動産売り求むチラシ実施の方法も新聞折込を廃して、ポスティング一本で実施すべきなのでしょうか?
実はそうとも言い切れないのです。
前回(2020年3月25日)掲載の「売却相談会開催チラシ|不動産売り求むチラシ作成講座」でご紹介した売却相談会開催チラシは、各地域で新聞折込の実施しているのですが、3000部~5000部で1件の反響を獲得で来ています。
しかし、通常の売り求むチラシ(イメージチラシ)では満足の行く結果が出ているとは言い難い状況です。
つまり、単純な通常の売り求むチラシではなく、イベント開催を伴う売り求むチラシであれば、まだまだ新聞折込広告を選択する意味はあるという事になります。
不動産売り求むチラシ実施の方法として優先すべきは勿論ポスティングですが、チラシの内容によっては新聞折込も使えます。
あなたのエリアではどのような結果になるか、一度テストをされては如何ですか?
POINT
・イベント開催を伴うチラシでは、新聞折込も効果が期待できる。