こんな物件探していますチラシ|不動産売り求むチラシ作成講座


「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。

不動産仕入れに役立つチラシについて学んでいます。今回は不動産売り求むチラシの古典に迫ります!(リビンマガジンBiz編集部)


画像=写真AC

みなさん、こんにちは。

株式会社レコの梶本幸治です。

今回のコラムでは、古典的(?)不動産売り求むチラシの手法である「こんな物件探していますチラシ」を取り上げます。

本題に入る前に1つ注意点を申し上げます。

前回の「お客様がいますチラシ|不動産売り求むチラシ作成講座」でも申し上げましたが、「こんな物件探していますチラシ」を作成する際も、【嘘】は絶対に駄目ですよ。

探してもいない物件を「こんな物件を急募しているので、お問い合わせ下さい」なんて書かないで下さい。

我々、不動産業界は時に「せんみつや」と呼ばれ、「千に3つしか本当の事を言わない」等と言われますが、この悪しき評判を払拭する為にも、嘘は止めて行きましょうね。

では本題に入ります。

こんな物件を探していますチラシにおいて、どのような物件を探しているかの記載方法は次のような書き方が多いですよね。

【一般的な「探している物件」の記載方法】

〇〇小学校区で2000万円~2500万円程度の中古一戸建てを探しています。今すぐお問い合わせ下さい。

このような書き方は失格です。

「〇〇小学校区」ではエリアが広すぎますし、中古一戸建てなら何でも良いのですか?
昭和30年建築でも、平成5年建築でも、令和元年建築でも、なんでも良いのですか?

まぁ、売り物件なら何が出てきても嬉しいのかも知れませんが、ここが冒頭で申し上げた【嘘】に該当します。

今、本当に探している物件の内容を記載して下さい。これは職業倫理的な問題だけに留まらず、反響を獲得する為にも重要な事です。ちょっと精神論的な事を申し上げるようで恐縮ですが、【嘘】の混じったチラシと、【本当】だけで構成されたチラシでは、【本当】のチラシの方が反響を獲得出来ます。

次に「2000万円~2500万円程度の」という部分も失格です。

不動産のプロであるあなたは、常に「この家は2500万円くらいかな?」「この土地なら坪40万円くらいかな?」と思いながら日々過ごしておられるでしょうが、売主様にとっては「自宅」等である場合が多く、常日頃から価格を気にしている方は少ないでしょう。

そのような「不動産の素人」である売主様に、「2000万円~2500万円程度の」と訴えかけても、ピンとこないと思いませんか?

【一般的な「探している物件」の記載方法】でお示ししたような、具体性に欠ける記載方法ではなく、あなたが今、本当に欲しい物件の内容を詳細に記載して下さい。少しだけ記載方法をお示しします。

【推奨|「探している物件」の記載方法】

〇〇小学校区内(特に〇〇町希望)で、敷地面積40~45坪、築年数は平成10年~20年の間の中古一戸建てを探しています。このような不動産を2000万円~2500万円で売却しても良いとお考えの方は、今から下記売却相談ダイヤルまでお電話ください。

「こんなに物件を特定したら、反響が減るのじゃないか?」と疑問に思われたかもしれませんが、不思議なもので「特定すれば特定するほど」反響は増える傾向にあります。

是非、あなたのエリアでもお試し下さい。

POINT

・チラシには本当のことだけ書こう!

・特定すれば、するほど反響は増える傾向にある!

 
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