不動産売り求むチラシの基本的なデザイン・レイアウトを解説
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
前回からシリーズとして不動産仕入れに役立つチラシについて学んでいきます。(リビンマガジンBiz編集部)
画像=写真AC
みなさん、こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。
前回のコラム「不動産売り求むチラシの基本的な考え方と、その目標反響率」の中で、売り求むチラシ作成時に、重視すべき事・気をつけるべき事として、下記3点を挙げさせて頂きました。
・親近感では無く、信頼感を抱いて頂けるチラシを作成する。
・イメージで訴えかけるのではなく、文字を多く記載し文章を読ませるチラシを作成する。
・売主様のメリットが明記されたチラシを作成する。
覚えていて頂けましたか?
では、これら3点を意識しつつ売り求むチラシを作成する際の、具体的なデザイン・レイアウト等をご紹介しましょう。
①「新聞」のようなデザインを心掛ける。
可愛いイラストやポップな文字は、売り求むチラシには不要です。出来るだけ文字を多くし、その文章の理解を助けるため図や表を入れるようにしてください。担当者の写真や、会社の店舗写真なども掲載しましょう。又、意味不明なイメージ優先のキャッチコピーも不要です。
②訴求ポイントは「高値売却」のみ。
売り求むチラシのメインキャッチコピーは「高値売却」に関する文言にしてして下さい。そして、その他の記事は、「高値売却」という訴求ポイントを補完する内容にしましょう。
「安全・安心の取引」や「スムーズな売却」、「相談無料」、「売主様の立場に立ったエージェント制」などの文言をメインキャッチコピーにしてしまうと、反響は減ってしまうでしょう。
③読みやすくする為、複数の書体をごちゃ混ぜにしない。
明朝体やゴシック体、ポップ体や行書体等々、複数の書体を混ぜて用いると読みにくくなります。又、文字が多いチラシなるため、自ずから文字は小さくなりがちです。出来るだけ書体をあわせて、読みやすいチラシを作成しましょう。
それともう1点補足しますと、文字が小さくなる事は問題ございません。「お年寄りには読めないのじゃない?」とのご指摘も頂きますが心配ご無用です。興味があれば虫眼鏡を用いてでもご覧下さいます。大切なことは「虫眼鏡を使ってでも読みたい」と思って頂けるように作成する事です。
④電話番号を大きく記載する。
売り求むチラシに限らず、チラシ作成時の基本ではございますが、電話番号は【凄く大きく】記載して下さい。これは「お年寄りにも見やすいように」電話番号を大きくするわけではございません。
このチラシの「ゴール(問い合わせ方法)」が電話である事を、チラシをご覧下さった方に認識して頂く効果を期待し、電話番号を大きくしています。
そして、電話番号の近くには必ず、受付時間と定休日を記載しましょう。
不動産売り求むチラシの基本的なデザイン・レイアウトはご理解頂けましたか?
では次回のコラムでは、これら基本的なデザイン・レイアウトを踏まえつつ、不動産売り求むチラシに必ず記載すべき事柄をご紹介して参ります。
POINT
・デザイン・レイアウトの基礎を理解しよう。