駄目な不動産DM解説|安心のお取引を約束するDM
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。
しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
前回に続いて、不動産仕入れにかかせないDM(ダイレクトメール)について、集中的に学びます。第4回目の今回は、心に響くDMワードについて学びます。(リビンマガジンBiz編集部)
画像=写真AC
みなさん、こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。
駄目な不動産DM解説も今回で4回目ですが、今までの3回分でお示しした下記POINTを参考に、あなたの会社で用いているDMは改善して下さいましたか?
今までのPOINT
・DMの発送数を減らして、確率をあげよう!(1回目:不動産仕入れDMの基本的な考え方)
・お客様のお役にたつ!気持ちがあれば、謝る必要はない。(2回目:非礼をひたすら詫び続ける)
・間口を広げると、反響の確率は下がる。(3回目:売買・賃貸・リフォーム何でも出来る)
私のコラムは「今日から使える超実戦向き手法」のご紹介を心がけており、コラムの内容に従ってDMを改善頂ければ、今お使いのDMより反響増が狙えると信じています。
「はぇ~。ためになったなぁ」と、コラムを読むだけで終わりではなく、是非、少しずつでもDMの内容を改善していってください。そしてDM反響を増やし、どんどん儲けて下さい。
と、いう事でここから本題に入ります。
今回も先ずは、駄目なDMの文章例をご覧下さい。
【駄目な文章例】 弊社は大阪市西区の不動産会社であり、弊社に御自宅売却のご用命を頂戴出来ましたら、スムーズ且つ安心なお取引をお約束致します。 |
このような文章を書いておられる方は、まだまだ売主様の気持ちが分かっていませんね。
売主様の一番の希望、要望は何だと思われますか?
そうです、売主様の一番の希望・要望は「所有不動産を高く売る事」です。
確かに、高く売る以外にも「早く売りたい」や「近所に知られずに売りたい」といったご希望をお持ちの売主様もいらっしゃいます。
しかし、「高く早く売る」と「安く早く売る」であれば、当然前者を選ばれるでしょうし、「近所に知られずに高く売る」場合と、「近所に知られず安く売る」場合では、前者の方を喜ばれるでしょう。
つまり、売主様には「高く売る」以外の言葉は響かないものと【敢えて決めつけて】、高く売る事を強調すべきなのです。
そのような観点からみて、上記の文章例は如何でしょうか?
「スムーズ且つ安心なお取引をお約束致します」って…そんな事、当たり前やないかい!
売主様が「スムーズ且つ安心なお取引をお約束してくれるなら、この不動産会社に売却を依頼しよう」と思われますか?
一歩譲って、そのような売主様がいらっしゃったとしても、「スムーズで安心の取引」と「スムーズで安心な高値成約」の二択ならどちらの会社を選びますか?勿論、後者ですよね。
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