駄目な不動産DM解説|非礼をひたすら詫び続けるDM

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。

しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。

前回に続いて、不動産仕入れにかかせないDM(ダイレクトメール)について、集中的に学びます。第2回目の今回はダメなDMについて考えてみます。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

みなさん、こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。

前回のコラムから新章「反響の取れる不動産DM作成講座」がスタートした訳ですが、ダイレクトメールの反響歩留まり目標を覚えておられますか?

ここでもう一度、仕入れ用、空地空き家DMの目標を確認しておきますね。

●1件の反響(※)を獲得する為に必要なDM送付件数:7~10件

●1件の相談(※)を獲得する為に必要なDM送付件数:15~20件

●1件の媒介受託を獲得する為に必要なDM送付件数:30~35件

※反響数とは「売りません」との断りも含め、所有者と会話出来た件数を表し、相談数とは査定価格の提示を行うなど、具体的な売却相談に進んだ件数を表しております

不動産業界の常識からすれば、かなり高い歩留まりであり、「本当にそんな高い歩留まりで反響が取れるの?」と思われたことでしょう。

そこで、今回の記事から全5回に渡り、駄目な不動産DMの解説のご紹介と解説を行うことにより、高クオリティのDMとはどのような内容なのかを徹底的にお伝えして参ります。

私は仕事柄、日本各地の不動産会社様からDM添削のご要望を頂戴する事が多いのですが、多くの不動産会社様は、次のような出だしでDMの文章を書き始めます。

 【文章例(書き出し)】

拝啓

時下益々ご清祥の事とお慶び申し上げます。

突然、ダイレクトメールをお送りする非礼をお許し下さい。

【文章例(最後の締め)】

この度は、突然このようなダイレクトメールをお送りし、本当に申し訳ございませんでした。不愉快な思いを抱かれた場合はどうぞご容赦下さい。又、このようなダイレクトメールが不要なお客様にはお詫び申し上げます。

先ず、「ダイレクトメール」って書いちゃってるところが✖なのですが、とりあえずそこには触れずに、どの部分がダメなのかお考え頂けますか?では読み進めずに1分ほど考えてみて下さい。

次のページ:このダイレクトメールはどこがダメなのか、あなたはわかりますか?
 
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