「机上査定で結構。訪問は不要。」訪問査定で得られる、売り主様のメリットとは?
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。
しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。
今回は机上査定では得られない訪問査定のメリットについて考察します。あなたは、なぜ訪問査定が必要なのか答えられますか?(リビンマガジンBiz編集部)
画像=写真AC
こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。
前回の記事、不動産一括査定サイト反響顧客の「売る気は無いが、価格を知りたかった」って本当?では、不動産営業担当者の仕事は、一見すると売る気がなさそうな顔をしておられる売り主様から、真の売却理由を聞き出し、的確な売却提案をすることですと申し上げました。
今回も一見、売る気がなさそうに感じる台詞である「机上査定で結構。訪問は不要。」を取り上げます。
最初に、訪問査定を受けることによって得られる、売り主様のメリットとは何かを検証したいと思います。不動産営業担当は、そのメリットとして、次のような内容を売り主様に説明する事が多いようです。
【説明1】 実際に室内を拝見した方が、正確な価格を算出出来ます。
【説明2】 不動産の売却手続きは難しいので、お目にかかったうえでご説明します。
一見、もっともな事を言っているように聞こえますが、本当でしょうか?
本当にこれらの事が、売り主様が訪問査定で得られるメリットなのでしょうか?
私は次のように考えます。
【説明1】 実際に室内を拝見した方が、正確な価格を算出出来ます。
→よほど汚れていない限り、室内を見ても見なくても大して査定価格は変わらない。従って訪問査定で得られるメリットとは言えない。
【説明2】 不動産の売却手続きは難しいので、お目にかかったうえでご説明します。
→売り主様自身が、まだ詳細な説明を聞きたいとは思っていない。従って、訪問査定のメリットだとは感じて頂けない。
では、訪問査定によって売り主様が得られるメリットなんて無いのでしょうか?
いえ、メリットはございます。
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