登記簿謄本で酒が飲めるようになれば、媒介の山が築ける|不動産仕入れ理論入門

登記簿謄本で酒が飲めるようになれば、媒介の山が築ける

「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。


しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。


今回は登記簿の読解についてです。あなたは登記簿をどれだけ読めていますか。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

こんにちは。株式会社レコの梶本幸治です。

あなたは、登記簿謄本(登記事項証明証明書)の読解力に自信がありますか?

「登記簿謄本なんて、敷地面積や延床面積、建築年月を見るくらいで、あまり真剣に見ていないな」とおっしゃる方は…認識を新たにして下さい。

登記簿謄本は情報の宝庫であり、売り主様攻略のヒントが満載です。

極言すれば「登記簿謄本の読み込みも出来ない営業担当者は、不動産仕入れに携わる資格がない」と言えるでしょう。

では、基本中の基本を今さら申し上げるようですが、登記簿謄本の読解方法の超入門編をご紹介します。

これからご紹介する内容をご覧頂いた後、「なぁんだ、知っている事ばかりだ」と思われた方は結構ですが、「へ~!知らなかったな!勉強になった」と感じられた方は大いに反省し、もっともっと勉強に励んで下さい。

1.「財産分与」を登記原因として登記がされている時は、全て離婚による所有権移転。

2.根抵当権が設定されている場合は、売り主様が会社経営者である可能性大。

3.抵当権者が個人名の場合、売り主様は相当お金に困っていてヤバいところから借金をしてるかも。

4.残地求積によって敷地面積が出されている場合は、公簿面積と実測面積で違いが出るかも。

1~3に関しては売り主様の状況を把握するために重要なヒントなりますし、4の残地求積に関しては権利の登記ではございませんが、一番大切な「不動産の売れる価格」に関わる部分でもございますから、営業担当者としては注意を払いたいところです。

それから余談と言いますが…初歩の初歩のお話をするようですが、表題部の登記は義務ですが、その他権利の登記は義務ではありません。従って登記簿に名義人として名前が記載されている人が、「今、この時点」で所有者であるかどうかは分かりません。

実務上よくあるケースでお話しすると、登記名義人は亡くなったお父さんだが、今現在の所有者は奥様とお子様なんてケースも多いですよね。

次のページ:登記簿を鵜呑みにしてはいけない

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