【問19】不動産売り求むチラシに記載すべき内容に関する問題
不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テスト
「売り物件の仕入れ」は、不動産売買仲介業には必要不可欠な業務です。しかし、この「仕入れ」業務をセンスや根性に頼らず論理的に考えたことがある人は多くはありませんでした。そこで、この連載では、不動産仕入れ理論の第一人者である不動産会社専門コンサルタントの梶本幸治さんと一緒に、仕入れを「理論」として学んでいきます。不動産仕入れについて必要な知識をクイズ形式で問います。よくわかる解説付きです。
第19回目となる今回は、チラシに盛り込む内容について考えましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
【問19】不動産売り求むチラシに必ず記載すべき内容として、相応しくないものは次のうちどれか
1. メインキャッチコピー
2. エリア内のランドマーク写真
3. QRコード
4. ターゲットとなる不動産所有者様像の明示
【正解肢】3
【解説】
1.(正)不動産売り求むチラシはイメージで訴えかけるのではなく、文字を多く記載し文章を読ませるチラシをお勧めする。
物件チラシであれば物件の魅力が伝わる画像などで反響を獲得出来るが、不動産売り求むチラシでは目に見えない「販売力・信頼感」といった点を訴求する必要があり、文章で説明する必要がある。このように「文字だらけ」のチラシを読み込んで頂く為には、「高値売却」等を訴えかけるシンプルなキャッチコピーを記載し、不動産所有者様に関心を持って頂けるよう工夫しなければならない。
2.(正)不動産売り求むチラシは一目で「このエリアを対象にしています」と不動産所有者様に分かって頂く必要がある。その為、エリア内のランドマーク(土地の目印となる事物・景観)写真を掲載する事は効果的であると考える。又、ランドマーク写真掲載以外にもエリアの地図を入れ、取引実績のある場所をアピールするといった手法も効果的である。
問1での解説で述べた通り、不動産売り求むチラシは基本的に「文章で読ませるチラシ」を心掛けるべきと考えるが、本肢のように視覚に訴えかける手法も併用したい。
3.(誤)私は「チラシだけで完結するチラシが、良く出来たチラシ」であると考えている。つまり、チラシからHPへ誘導する効果については懐疑的である。チラシを手にしたお客様の多くが、社名などで検索しHPを確認後、問い合わせされる事は重々承知している。しかし、チラシをご覧になったお客様が「今すぐ電話したい」と思うような紙面作りを目標としたい。従って、敢えてHPに誘導するようなQRコード掲載はお勧め出来ず、代わりに電話番号を大きく記載し、必ず受付時間と定休日も記載すべきと考える。
4.(正)ターゲットとなる不動産所有者像をチェックボックス形式で列挙する事は効果的である。尚、チェックボックスの記載例は下記の通り。
□ 相続されたご実家の売却をご検討中の方。
□ 離婚によりご自宅の処分をお考えの方。
□ 買い替えで現在のお住まいを売却される方。
□ 住宅ローンの支払いが厳しく賃貸へのお住み替えをご検討中の方。
【参考記事】
・不動産売り求むチラシに必ず記載すべき8つの事柄(2020年02月05日公開) ・不動産売り求むチラシの基本的なデザイン・レイアウトを解説(2020年01月29日公開)※本不動産仕入れ営業(媒介受託)確認テストは、執筆者である梶本幸治のコンサル経験・実務経験に基づいた不動産仕入れ理論で作成しております。本確認テストの正解肢以外の考え方や手法を否定するものではございません。