不動産仕入れ理論の第一人者である梶本幸治さんが、デキる不動産営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。営業目標数字は「売り」から入れ!が持論の梶本氏が、その理論を解説してゆきます!シリーズ第13回目は、買い付けがとれた後の適切な進め方について考えましょう。(リビンマガジンBiz編集部)
この「【売り】から入る不動産買付営業」の連載も、今回を含めて残り2回となりました。
今回はいよいよ買い付けが入った後の売主様交渉と、契約準備のお話です。
基本的な事ですが、価格交渉が入った場合は売主様に直接お目にかかって商談を勧めるようにしましょう。ベテランになれば、電話で済ませられるようになるかも知れませんが、未だ経験が浅い時点では、手を抜かずに基本に忠実に仕事を進めて下さい。
それでは、本題に入ります。
【Step1】媒介受託前に準備しておくべき事 ←平成31年4月17掲載
【Step2】媒介受託時の考え方と売り主との折衝について ←平成31年4月24日掲載
【Step3】既登録顧客への紹介 ←令和元年5月8日掲載
【Step4】物件周辺へのポスティング広告 ←令和元年5月15日掲載
【Step5】ポータルサイト等、ネットへの物件掲載 ←令和元年5月22日掲載
【Step6】オープンハウスや現地案内会開催 ←令和元年5月29日掲載
【Step7】顧客案内時の注意点 ←令和元年6月5日掲載
【Step8】案内後のクロージングに関する注意点 ←令和元年6月12日掲載
【Step9】商談不調に終わった買客への対応法 ←令和元年6月19日掲載
【Step10】売主への価格交渉と契約準備 ←今回はココ
【Step11】成約後に行うべき営業活動とは?
もし、あなたが査定した価格以上の金額で買付を取得できた場合は、すぐに売主様のアポイントを取って下さい。仮に売主様の希望する売り出し価格から大幅な値下げ交渉が入っている場合でも、「良いお話しが入りました」と電話で報告して、お目にかかる機会を作ってください。
ここで売主様から「買主様はいくらで買って下さるの?」等といった質問を受けても、口頭で価格を伝えてはいけません。「良いお話しが入りました。詳しくはお目にかかってからお伝えします」で押し切りましょう。
この段階で「良いお話しが入りました」と言えるのは「査定価格以上の価格で買付を取得した」からであり、査定価格を下回ってしまう場合は、このトークは使えません。
つまり、受託前の査定価格は慎重にも慎重を重ねて算出し、自信を持って提示ができる価格であることが重要なのです。
売主様が買い付け価格に難色を示された場合は、「売却理由」を思い出して頂くように努めます。
細かい価格の交渉に終始するのではなく、「売却したいと思った理由を成就させるためにも、この買付を了承した方が良い」といった方向で商談を進めましょう。