【シリーズ・【売り】から入る不動産買付営業②】

不動産仕入れ理論の第一人者である梶本幸治さんが、デキる不動産営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。


営業目標数字は「売り」から入れ!が持論の梶本氏が、その理論を解説してゆきます!第2回目の今回は、なぜ「買い」から入る買付営業が難しいのか紹介していただきます。(リビンマガジンBiz編集部)

画像=写真AC

今回の記事では、「買いから入る買付営業」に関する解説を行います。前回の記事の中で「買いから入る買付営業」を次のように定義付けさせて頂きました。

エリア内の物件情報(業物・先物含む)を取扱い、その圧倒的情報量で買い反響を獲得する。獲得した買い反響顧客に対しては、絶えず物件情報を提供し続ける形で追客する。又、営業担当からの追客以外にも顧客管理システムの活用等により、「希望物件マッチングメール」等を配信し、「人力」と「システム」の両面から追客し成約を目指す。

では、「買いから入る買付営業」の具体的な流れから見てゆきます。ちなみにこれからご紹介する買付営業の形は、私が「お勧めしていない営業手法」です、その点をご理解頂いた上でご覧ください。

①相場勘を養う

※エリア内に業物(先物)を実際に確認し、エリア内の業者訪問を積極的に行うなどして、エリア内物件情報(相場勘)に精通しましょう。又、他社のチラシやネット情報も頻繁に確認し「エリア内の売れ筋物件」を絶えず確認しましょう。

②広告(ネット)掲載物件収集

※ポータルサイトや自社ホームページ、チラシ等に掲載出来る物件情報を収集します。レインズ未登録物件が最適ですが、売れ筋の物件情報収集に力を尽くしましょう。

③広告作成・ネット入力

※紙広告掲載物件は「自社売主物件・直物件」を優先するのではなく、例え業物であっても「売れ筋物件」を優先して下さい。ネットは出来るだけ多くの物件を掲載出来るように努めましょう。

④問い合わせ獲得

※問い合わせ獲得後は、来店へ誘導して下さい。物件の案内がベストですが、「ローンのシミュレーションをしませんか?」等、様々な手法を用いて来店を促すようにしましょう。

⑤顧客案内

※初回案内時は即決を目指すのではなく、「二回目案内での成約」に向けた布石を打つようにしましょう。敢えて「今日は決めないで下さい」と事前に伝える事も効果的です

⑥クロージング

クロージングを焦ってはいけません。「お客様が気に入っていない物件を、営業力で何とか決めてやろう」という態度は厳禁です。

⑦買付取得

※親・知人・占い師等、他に相談する人がいないか必ず確認の上、焦らずに買付を取得して下さい。

⑧売主交渉

※可能であれば元付業者に対しては「買い上がりの幅」等、交渉条件をある程度伝え、交渉がスムーズに進むよう手配して下さい。

⑨契約準備

※重説・契約書等は通常、元付業者が作成しますが、買方業者としても、元付業者の重説・契約書を鵜呑みにせず、自らも基本的な事柄に関しては調査して下さい。

⑩契約

契約後のお客様に対しては、過度なサービス行う必要はありませんが、今後「紹介」を頂く為にも、適度に連絡を入れた方が得策です。

⑪追客

成約に至らなかった顧客は長期追客となります。購入希望のお客様は媒介契約書でくくる事が出来ません。従って安定した業績を上げる為には、多数の購入希望客を抱え、自社の「顧客リスト」に登録する事が必要です。そして登録顧客へは物件情報を湯水のように提供し、お客様がリアクションを示された場合は、再度案内へ誘導します。

どうでしょうか?

全ページでご紹介した流れは一般的な買付営業の手順だと思います。

しかし、この流れを実際の営業現場で行う事は難しいはずです。

▶オーソドックスにみえる買付営業だが…なぜ難しいのか?
 
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