元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術
不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる不動産営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
今回はお客が要望する「条件」について深く考えてみます。(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=ぱくたそ)
ある不動産営業部長は常々、部下の営業担当者に対し「顧客の条件と思いつきを見極めよ!」と伝えておられます。
「条件と思いつきを見極める」と言われても、いまいち、ピンと来ないかもしれませんね。
では、具体例をお示ししながら、この言葉の持つ意味を解説して参ります。
不動産の案内シーンで、あなたは次のような場面に出くわしたことはありませんか。
営業担当:ご覧頂いたマンションは如何でしたか?
お客様:なかなか良い物件だったね。ところで敷地内駐車場に空きはあるの?
営業担当:いえ、空きはございませんので、近隣で借りて頂くことになります。
お客様:そうなのか、じゃ、近隣駐車場の空き状況を調べておいてもらえるかな?
営業担当:承知しました。お調べした上でご報告致します。
一見普通の会話ですよね。
まぁ、本来であれば案内前に近隣駐車場の空き状況くらいは調べておくべきでしょうが、業物(先物)への案内の場合であれば、事前に確認できないこともあります。
そして、営業担当者が「近隣駐車場の空き状況」を調べて、再度お客様に連絡を取った時には、次のようなシーンをよく目にします。
営業担当:先日ご依頼頂きました、近隣駐車場の空き状況を調べてまいりました。
お客様:ありがとう。それでどうでした?
営業担当:マンション隣の駐車場に空きがございまして、駐車場代は月額12,000円でした。
お客様:空きはあったんだね。調べてくれてありがとう。
営業担当:駐車場確保の見込みがつきましてので、物件のご購入も前向きに検討いただけますか?
お客様:そうだね…。また、検討して連絡するよ。
営業担当:はぁ…。では…ご連絡お待ちしています。
上記の様な場合、お客様から後日連絡が入ることはほとんどないでしょう。
この会話例をご覧になって、「何がいけないの?」と思われた方は多いかもしれません。
「こんなやりとりは、不動産の営業シーンでは普通にあることだし、お客様からの駐車場の有無を確認するよう依頼されたら、調べて報告することが営業担当者としての仕事だよね」との感想を抱かれた方は、考え方を少し変えていただく必要があるようです。
上記の営業担当者は、お客様からのご要望にしっかりと応じました。しかし、成約には結びつきませんでした。なぜ、こんなことになってしまったのでしょう?
>>2ページ目:聞かれたことを答えるだけでは、成約できずに徒労に終わる?(続き)
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