元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術
暑い夏をさらに暑くする不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる不動産営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
今回から不動産会社のトップ営業マンについて取り上げる、待望の新シリーズに突入します。野心あふれる若手営業社員は必読の内容です!(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
今回から9回に渡り、私が今までに出会った「トップ営業担当」から聞いたお話を「トップ営業に学ぶ不動産営業術」としてご紹介してまいります。
私のコラム「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」は、基本的に不動産営業歴の浅い方向けにお届けしておりますので、これらトップ営業達の考え方は、ヒントになると思います。
ここであなたに質問なのですが、買主様に住宅ローンを斡旋した際、金消契約(※)には立ち会っていますか?
※注=金銭消費貸貸借契約のこと。不動産ビジネスでは住宅ローンの借り入れ契約などがある。
「えっ!金消契約に立ち会うのは当然じゃないの?」と思われたあなた。もしかするとあなたは、設定用の印鑑証明を買主宅に受け取りに行ったり、ローン本申し込みの段取りもご自身でやったりしていませんか。
私の出会った、あるトップ営業に言わせると、「金消契約などローン関係の仕事は銀行に全部やらせるべきで、これら残務処理を一生懸命やっている営業担当は売れない!」とのことです。
契約後の仕事を「残務処理」呼ばわりは酷いと感じますが、彼の言うことにも一理あります。
金消契約にいつも立ち会っている営業担当に「なぜ、金消に立ち会うの?銀行にやらせれば良いじゃない」と聞くと、だいたい次のような返事が返ってきます。
「私は売って終わりの営業にはなりたくないのです。アフターサービスも一生懸命頑張りたいので金消契約にも立ち会います。買主様も初めての経験でしょうし、不安に感じられているでしょうから」
一見、もっともらしい台詞ですが、深く考えずに、こんなことをやっている営業担当は数字が上がらなくて当然ともいえます。
まず、金消契約の立ち会いは、アフターサービスと呼べるのでしょうか?
金消契約において、営業担当が立ち会う必要があるような不測の事態は生じますか?
金消契約を不安に思っている買主様は本当にいらっしゃいますか?
そもそも、「なぜ『金消契約」に立ち会う」と、買主様に約束してしまったのですか?
このような無意味(少し言葉がキツいかもしれませんが…)なサービスを押し付ける営業担当は、お客様のことを大切に考えているのではなく、単に良い人を演じて好感を持って貰いたいだけではないでしょうか。
もっと率直に申し上げるなら、お客様におもねっているだけともいえます。
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