毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
ビジネス誌からも注目されている不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
不動産会社がつくるDMにはよく似た文言が並びます。よくよく調べて見ると、共通する心理がありました。(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
本日は、不動産会社が空き地空き家DMを作成する際、非常に良く用いられる文章の検証を行いたいと思います。その文章とは、「弊社には士業のブレーンが多いので、税金や法律のご相談もお任せ下さい」というものです。
前回の記事「不動産なんでも屋は売却を受託出来ない|空地空家DM反響増の秘訣」の中で、不動産売却依頼を取りたい時は、「不動産売却に特化」したDMを送りましょうとご提案申し上げましたが、今回「税金や法律のご相談もお任せ下さい」は、「なんでも屋」をさらに発展(?)させた内容です。
では、この「空き地・空き家DMを作成する際に非常に良く用いられる文章(税金や法律のご相談もお任せ下さい編)」の例文をご覧頂きましょう。
【空地空家DMを作成する際、非常に良く用いられる文章|税金や法律のご相談もお任せ下さい編】
〝また、弊社提携先には、弁護士、司法書士、税理士、土地家屋調査士等もございますので、賃貸・売買・リフォーム・有効活用のご予定がないお客様にも、法律相談や登記相談、税金相談や境界に関する相談等も無料で実施致します。是非この機会に不動産に関するお悩みでしたら何でもご相談下さい。〟
いかがですか、空き地・空き家DMを作成した事のある営業担当者なら、一度は書いた事のある文章ではないでしょうか。
正に「なんでも屋」根性、ここに極まれり!という感じですね。
売却反響のDMを作成したにも関わらず
・賃貸を希望される方からも反響が欲しい。
・リフォームを検討中の方にも問い合わせて欲しい。
・法律問題で悩んでいる方には、顧問弁護士を活用して案件化したい。
・税金関係で悩んでいる方には、顧問税理士を送り込んで案件化したい。
・登記で悩んでいる方には、自社で使っている司法書士を潜り込ませたい。
上記の通りアレも欲しい、コレも欲しい、みんなみんな何もかも欲しいと欲張った結果、何の反響も獲得することができない不動産会社が多すぎます。
そもそも、不動産会社に税金や法律の相談をしたいと思いますか?
税金なら税理士、法律なら弁護士に相談するに決まっているでしょう!
確かに、税理士や弁護士から不動産案件の紹介を受けることはありますが、これは士業の先生方が案件を処理する中で不動産の処分が必要となり、不動産会社へクライアントを紹介しただけですよね。
つまり、「士業→不動産会社」という案件の流れはあっても、「不動産会社→士業」という流れは稀です(登記手続きはだけは「不動産会社→士業」の流れが頻繁にあります)。
>>2ページ目:DMを受け取った売主が期待していることとは?
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