毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
「片付けてから売りたい」と考える売り主の本音をくみとる応酬話法をご紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
今は、「スマイスター」さんをはじめとして、数々の不動産一括査定サイトがございますので、売主からの問い合わせは1万円ちょっとで買うことができるようになりました。
私が不動産業界に入った頃(平成8年)は、不動産の売主様から「査定して欲しい」という依頼を頂く事は至難の業でした。
では、不動産営業が楽になったのかというと、そうでもありません。
昔は、査定にまで漕ぎ着けられれば受託の可能性が高かったものですが、今は「その他大勢の一社」として売主様との関係がスタートすることが多く、査定や訪問を済ませたからといって受託に繋がるとは限りません。
そこで重要になるのは、売主に対する提案力…もっと簡単に申しあげると「売主様との会話」です。
私は、この「不動産売主様との応酬話法」の習得には力を入れており、コンサルティングの依頼をいただいている各クライアントへは「売主様への応酬話法 想定問答集」をお渡しし、日々練習を重ねていただいています。
応酬話法の練習と申しましても、以前「受託率が上がる!?不動産査定報告時に知っておきたいトーク術」でご説明した通り、売主様の売却理由を聞き出す事に主眼を置いています。
売却理由についてのヒアリングが重要だとはいっても、最低限の応酬話法は必要になります。
例えば、この記事のタイトルにあるように「室内を片付けてから売りにだしたい」という売主様に対しては、どう切り返しますか?
一般的には次のような応酬話法が考えられます。
1.売りに出してもスグに売れる訳ではないので、取りあえず販売をスタートさせましょう。
2.室内に家具等があった方が生活のイメージが湧きやすくなりますから、今のままで結構ですよ。
3.購入希望のお客様は、室内に荷物があってもそんなに気にされませんから大丈夫ですよ。
どの応酬話法も特段の問題はないように感じますよね。しかし、上記1~3の応酬話法は、売主様の「室内を片付けてから売りたい」とういう言葉の裏にある気持ちをくみとっているでしょうか?