毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
不動産一括査定サイトからの反響の中に、「売る気はないけど価格を知りたい」という反響があります。しかし、本当なのでしょうか?「売る気はないけど価格を知りたい」反響を受託する方法とは!?(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
私は、コンサルティングしているクライアントに複数の「不動産一括査定サイト」を活用することを強く勧めています。また、これらのサイトからの受託率必達目標を10%に設定しています。
初めてのお問い合わせ時に受託率10%を目指し、その後、中長期的な追客によって更に5%上乗せし、最終的には15%の受託率を目指します。
「初めてのお問い合わせ時に受託率10%」という目標を達成するためには、「スピーディな初動対応」と「徹底的なヒアリング」が必要であることは言うまでもありません。
「スピーディな初動対応」に関しては、とにかく早く連絡すれば良いだけですので心掛け次第でなんとかなります。しかし、「徹底的なヒアリング」がなかなか簡単にはいきせん。
私が不動産営業担当から、一括査定サイト問い合わせの受託施策について相談を受けていると
「梶本さん、今月は『売る気のないお客様』が多かったです」
「『売る気がない』と言っているお客様も追客する必要がありますか?」
という声を時々聞きますが。これ、大きな勘違いです。
まず、大前提としてお客様は「不動産会社に追客されるのが鬱陶しいと思っておられる」ことを認識すべきです。
では、「所有不動産の査定価格は知りたいけれど、追客されるのは避けたい」とお考えのお客様は、不動産会社に対してどのような態度を示されると思われますか?
それは…
「売る気はないけど、価格を知りたい」
ではないでしょうか。
例えば、あなたが洋服を買いに行き、店員さんにガッツリ接客されたくないと考えたとき、「いや、別に服を買う気はないけど、ちょっと見たかっただけ」といった態度をとりますよね。気に入った服があれば、購入する気があるのにです。
不動産の売主様に関しても同じです。
「売る気はないけど、価格を知りたい」と言う売主様に対し、「そっか!価格を知りたいだけで売る気はないのか!」と、ピュアな対応をしていたのではいつまでも受託はできません。
「売る気はないけど、価格を知りたい」という言葉の奥に隠された売主様の「売却理由」に迫り、その売却理由に対するソリューションを提供することによって、はじめて受託ができるのです。
そのためには徹底したヒアリングの他、周到な準備が必要です。(準備の方法に関しては「不動産一括査定サイトからの問い合わせは、「3点セット」で事情把握!」をご参照下さい)
不動産業の基本は仕入れです。仕入れ命です。
購入希望のお客様が100人いても数字の見込みは立ちません。しかし、売却希望のお客様が100人いらっしゃれば、現実的な数字の見込みを立てることができます。
大切な売り見込みのお客様から「売る気はないけど、価格を知りたい」と言われただけで、あっさり引き下がるようなことはやめてくださいね。
※しかし、本当の本当に「売る気は無いけど、価格を知りたい」だけの方もいらっしゃいます(一括査定サイトに関しては10人中3人くらいが、単に価格を知りたいだけのお客様だと私は感じています)。そのようなお客様には深入りしない目利きも必要です。
本日の格言
・不動産一括査定サイトから受託するには「スピーディな初動対応」と「徹底的なヒアリング」が重要!
・不動産は仕入れが命。「売る気はないけど、価格を知りたい」というお客にも、徹底したヒアリングと周到な準備を怠るべからず!