毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」

業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。

物件の案内を、「現地集合・現地解散」にしている不動産営業パーソンがたくさんいます。しかし、それではチャンスをフイにしているかも!?(リビンマガジンBiz編集部)


(画像=写真AC)

先日、不動産会社さんで打ち合わせをしていたところへ、従業員が帰社されました。私が「どちらへ出かけておられたのですか?」と尋ねたところ「はい!案内に行っていました」との返事。

詳しく聞いてみると現地集合現地解散で案内を行い、1件だけ物件をご覧いただいたそうです。
そして…案の定、案内は不調に終わったそうです。

成績が伸びない営業パーソンとお話をしていると、このように「現地集合、現地解散」の案内ばかりしている方が多いように感じます。そして案内する物件も決まって1件のみ。
こんな案内をしている営業パーソンに対し「まずは会社に来店いただき、数件の物件を案内しましょうよ」と申し上げると次のような返事(言い訳?)が返ってきます。

①週末にたくさん案内を入れるためには、現地集合の方が効率的だ。
②ネットの普及により昔と比べて物件情報の入手が容易になったため、お客様は既に物件を知っている。
③来店を促すとお客様が警戒され、肝心の案内すら取れなくなる。

見事な定番の言い訳ですね。
では、上記の言い訳を1つずつ検証してみましょう。

まず、①の「週末に案内を沢山入れるためには、現地集合の方が効率的だ」ですが、そもそも現地集合現地解散の案内では、お客様の購入動機(希望条件含む)や、案内物件の感想を聞く時間がありません。したがって次の案内に繋がる情報が入手できない。結局、成約に繋がらないでしょう。雑な「決まらない案内」をたくさん行うよりも、丁寧な「決まる案内」が重要です。

次に、②の「ネットの普及により昔と比べて物件情報の入手が容易になったため、お客様が既に物件を知っている」ですが…このような言い訳をする人は、営業パーソンの資格がありませんね
「ネット上で物件情報を見る」のと「現地で実際に物件を見る」のでは、印象も全く異なります。また、ご覧いただく物件は営業マンが提案すべきです。お客様が見たいといっている物件だけを案内している方は「営業パーソン」ではなく単なる「案内同行者」に過ぎないのです。

最後に、③の「来店を促すとお客様が警戒され、肝心の案内すら取れなくなる」ですが、来店することによって得られる「お客様のメリット」を作り出してください。例えば、「現在売出し中の全物件情報を見ることができる」や「住宅ローンなどの、お金の相談ができる」等々を提示し、「それならばお店に行こうかな」と思っていただける環境を作りましょう。

まぁ、このように「警戒云々…」と言っている営業パーソンは、勝手に警戒されると思い込んでいるだけで、実際お客様に対して「来店してください」と提案していないケースが多いのですけどね
勝手に思い込んで、勝手に消極的になっている営業マンが成約できるはずがないのです。

案内時はまず来店いただき、少なくとも3件程度の物件を案内した後にお店へ戻り、クロージングを行ってください。クロージングができるような物件がない場合も、お客様の購入動機(希望条件含む)をしっかりと再確認した上で次の案内の予定を入れてからお帰りいただくようにしましょう。

誰かが言っていたことを深く考えずに、言い訳しているようでは一流の営業パーソンになどなれませんよ。

本日の格言
・物件案内時、お客には必ず店に来てもらい、購入動機や希望条件を確認するべし!
・お客にとってのメリットを作り、「お店に行こうかな」と思わせることが重要!

 
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