毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
今回は、男性営業担当必見!営業マンが物件案内時に注意することについてご紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=リビンマガジン Biz編集部)
私が大学を卒業して不動産営業の仕事を始めた頃、当時の営業部長がいつもこんなことを仰っていました。
「案内なくして成約なし」
口の悪い先輩方は「売り物件さえあれば、業者に買いを付けてもらうこともできる。案内なんてなくても成約はできるよ!」と言っていました。しかし、今になれば物件案内が不動産営業にとって、いかに大切な業務かがわかります。
非常に大切な仕事ですから、案内時には繊細な配慮を心掛けたいものです。
今回のお題にさせていただいた「女性お一人を案内する時は、決してドア側に立たない」ことも、その繊細な配慮の一つです。
不動産の物件案内は、営業マンとお客様が密室で二人きりになることが多く、女性のお客様が一人で物件をご覧になる際は、充分に配慮して下さい。男性営業マンがまるで「退路を断つ」かのようにドア側に立てば、部屋側(内側)にいらっしゃるお客様にどのような印象を与えるでしょうか。営業マンならそのくらいは感じ取りたいものです。
このようなお話をすると、たまにこんな営業マンに出会います。
「梶本さん、それは心配し過ぎですよ。お客様もいきなり営業マンが襲い掛かってくるとは思っておられないでしょうし、私もそんなことを考えたことはないですよ」
しかし、そんな考え方には要注意です。これって、その営業マンが「勝手」に「思い込んでいる」だけですよね。営業マンが女性の恐怖心を理解することは難しいでしょうし、そもそも「そんなこと(襲い掛かること)」を考えたことがないのは当たり前です。
このように、思い込みが激しく自分の経験でしか物事を判断できない営業マンの多くは…営業成績低迷に悩んでいるケースが多いように思います。つまり実際にお客様が怖がっておられるか否かは関係なく、「女性のお客様が怖がっておられるかもしれない」という立場にたって営業する姿勢こそが重要なのです。
デキる営業マンは、一見ガサツに見える方でも細かいところまで配慮が行き届いているものです。細かい配慮ができない営業マンは、自分の言いたいことだけを言い、自分の聞きたいことだけを聞くと言う自己中心的な接客に陥り、お客様の小さなサインを見落としがちです。
あなたも感じたことがあると思います。案内をしていると「あっ!このお客様は買ってくれるな」と感じる瞬間がありますよね。そして、その瞬間にポンと背中を押して差し上げられる営業マンが「デキる営業マン」なのです。
しかし、細かい配慮がなく、自己中心的な押し付け営業ではこの「瞬間」を感じ取ることができないことが多いです。温まっていないお客様を強引に押し込もうとしたり、逆にもう少しで購入されるお客様を逃したり、といったミスを繰り返します。
本日お話しした「女性お一人を案内する時は、決してドア側に立たない」というのは、物件案内においては基本中の基本であり、案内中はお客様の一挙手一投足に気を配って下さい。
勿論、気を配るといってもピッタリとくっついて回ってはいけません。一定の距離を保ちつつ、お客様が無意識で出すサインを見逃さないようにしましょう。
本日の格言
・物件案内するお客様が女性お一人だった場合、営業マンはドア側に立つべからず!
・自己中心的な考えを捨て、繊細な配慮を心がけて接客に臨むべし!